2013年7月
【月曜】 卵子の老化現象と高齢妊娠
近年、社会情勢の変化に伴って晩婚化が進み、さらに子どもを希望する年齢も高齢化しています。
しかし、女性の年齢は、妊娠する確率に大きな影響を与える要因です。そのため、子どもを希望する年齢が高齢化することによって、不妊となる女性の数が増加しています。
卵巣では、すでに胎児の時代に全ての卵子が作られ、その数は700万個と言われています。その後に卵子の数は母体の中にいる間に減少し、出生した時には約200万個となります。そして、初潮が始まる頃には、卵巣に存在する卵子の数は30~40万個にまで減少します。
このように、排卵が起こらなくても、胎児期に作られた卵子は自然に減少していきます。
女性が毎月排卵すると仮定すると、初潮の時に存在した卵子の1%足らずの約500個が一生涯で排卵に使われます。残りの99%以上の卵子は卵巣内で自然消滅して、閉経の時にゼロになります。
妊娠を希望している夫婦であれば、通常は3カ月以内に約50%、6カ月以内に約70%、そして1年以内に90%近くが妊娠すると言われています。2年間に妊娠しない場合を、一般的に不妊と呼んでいます。
また、女性の妊娠する確率は27歳前後から徐々に低下し始め、38歳前後から著しく低下するといわれています。卵子は、年齢とともに数が減少するだけでなく、新たに作られないので、老化し質が低下していきます。
したがって、加齢に伴う妊娠する確率の低下だけでなく、流産する確率や胎児の奇形が起こる確率が増加していきます。
現在の医学では、卵子の減少と老化という自然現象を変えることはできません。また、体外受精等の医療技術は日々進歩していますが、残念ながら、年齢による壁はいまだ越えられていません。