兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年8月

【金土日】不眠症とうつ病

 現代はストレスの時代であり、成人の4~5人に1人、高齢者のおよそ3人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えていると言われています。

 一口に不眠といっても、主に次の4つのタイプの不眠があります。

 1つ目は、寝床に入ってから1時間以上寝つけない入眠障害、2つ目は、途中で何回も目を覚ます中途覚醒、3つ目は、夢ばかり見て睡眠時間の割に熟睡したという満足感がない熟眠障害、4つ目は、明け方に目が覚めてそのまま朝まで眠れない早朝覚醒です。単に寝られないというだけでなく、それに加えて昼間の日常生活に支障をきたしている状態のことを「不眠症」と言います。

 睡眠の問題は、比較的早くから自覚しやすいこともあって、「眠れない」という訴えで医療機関を訪れる患者さんが多くおられます。うつ病の初期には、気分の落ち込みなどの典型的な症状が見られず、倦怠感・不眠・食欲不振といった身体的な不調だけが出現することがあるのです。患者さんの話に耳を傾けているうちに、不眠という訴えの背後に隠れているうつ病の姿が浮かび上がってくることがあります。この場合、睡眠薬の投与だけでは不眠症は改善しません。

 うつ病は、「こころの弱さ」や「怠けている」から起こるのではありません。性格や生活環境など、いくつかの要素が重なり合って発症すると考えられています。特別な人がなるわけではなく、長期的なストレスにさらされることで、誰もが罹りうるのです。

 うつ病と診断されたら、十分な休養と抗うつ薬の服用が基本となります。疲れた心と身体を十分に休めるとともに、脳の中の神経伝達物質のバランスの乱れを抗うつ薬によって整えていきます。

 加えて、生活面の調節も行います。夜ふかし・育児・交代勤務などによる生活リズムの乱れ、音・光・温度・湿度などの外的要因、痛み・痒み・咳・尿意などの身体的要因、さらに、心配事・ストレス・ショックなどの精神的要因などがないかをチェックし、それがあれば取り除くことが大切です。

 うつ病が回復する過程では、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に良くなっていきます。適切な治療を行うことで治る病気なのです。ですから、焦らずに治療に取り組むことが大切です。

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