2013年9月
【水曜】 足首の捻挫
足首の捻挫は、スポーツで起こる最も多いけがのひとつです。バスケットボールやバレーボールでのジャンプの着地で、誤って人の足の上に乗ってしまったり、サッカーや野球で、グラウンドのくぼみや芝生に足をとられて、足首をひねってしまうことがあります。
また、ジャンプで着地した時や、歩行中につまずいたり、階段を踏み外した時に足首をひねってしまうことでも起こります。
足首の捻挫の多くは、足首を内側にひねって起こります。そのため、足首の外側の靭帯がいたみます。外くるぶしの前や下に痛みがあり、腫れ、内出血がみられることがあります。また押さえると痛みがあります。
捻挫とは、関節を支えている靭帯をいためることです。靭帯の痛み具合によって捻挫の程度を3つに分けています。1度の捻挫は靭帯が伸びること、2度の捻挫は靭帯が部分的に切れること、3度の捻挫は靭帯が完全に切れることと定義されています。
足首の外側の靭帯は、前から3本の靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が組み合わされています。
一番前の靭帯が最も切れやすく、一番前の靭帯が切れた上にさらに二番目の靭帯が切れることがあります。三番目の靭帯が切れることはほとんどありませんが、その場合には「脱臼」を起こします。
捻挫を起こした時の応急処置は、まず安静にして足を高くすること、そして氷などで冷やして圧迫することが大切です。この処置によって出血や腫れを少なくして、痛みを和らげることができます。さらに靭帯が完全に切れた3度の捻挫では、足首の関節が不安定になっているので、固定や手術による治療が必要なこともあります。スポーツに復帰するまでには数週間にわたるリハビリが必要なこともあります。
成長期の子どもでは、大人のように骨がしっかり固まっていないので、靭帯にひっぱられて、靭帯の付着部の骨の一部が剝がれることがあります。高齢者では、骨がもろくなっているので、足首を捻って骨折を起こすことがあります。
いずれにしても、足首の捻挫は、ひどいときには治療に数週間以上は必要になりますので、整形外科の医師に相談して、場合によっては専門医に紹介してもらい治療を受けてください。