兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年9月

【月曜】 女性のクラミジア感染症

 クラミジアは性行為による感染症の一種です。女性では、子宮頸管炎と骨盤内炎症性疾患を起こします。「クラミジア・トラコマチス」というものが原因菌です。女性では性行為感染症の約60%をこの病気が占めています。

 症状は、おりものの増加や性交時の痛みなどですが、自覚症状に乏しいことも多く、医療機関を受診せずに未治療のまま放置している方も少なくありません。

 性行動の低年齢化や複数の相手との性的交渉が最近はよくみられます。経口避妊薬やコンドームを使えば性病が予防できるというのは、誤った知識です。自覚症状に乏しいため、完全に治癒しないうちに治療を中止して性行為におよぶこともよくみられます。

 感染症が子宮頸管炎から奥の方へ炎症が進むと、骨盤内にまで炎症が起こり、卵管が狭くなったり塞がったりして症状が進めば、子宮外妊娠や不妊症の原因となります。早産や流産の原因となることもあります。

 この病気は喉からも感染します。自覚症状がほとんどなく粘膜の異常所見も乏しいため、性器の異常所見がないと見逃されることもあります。最近オーラルセックスが一般的になりましたので、注意が必要です。

 検査は、子宮頸管の粘液を採って核酸増幅法と呼ぶ方法で行います。女性の子宮頸部の粘液を採るだけですから、痛みや苦痛はほとんどありません。検査の結果は2-3日かかります。クラミジアが陽性の場合は、淋病などの他の性行為感染症を同時に起こしていることも多いので、できるだけ他の感染症検査も受けるべきでしょう。

 治療は、一回投与だけですむ薬が最近開発されました。これは妊婦さんにも安全です。治療に際して重要なことは、パートナーの治療です。治療の内容や時期のずれから相互感染、いわゆるピンポン感染を繰り返す場合も少なくありません。ぜひパートナーにも治療を受けてもらうようにしましょう。

 近年の性の多様化、そのゲーム化ともいえる状況から、とくに10歳代の若い世代などに性行為感染症は急速に広がっています。性教育を始め、性行為についての正しい知識を持って、性行為感染症を予防することが大切です。

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