兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年10月

【金土日】強迫性障害とは

 強迫性障害の『きょうはく』は、「脅し迫る」ではなく「強く迫る」と書きます。

 この病気では、「強迫行為」や「強迫観念」というものを考える必要があります。

 まず「強迫行為」とは、「そんなことはする必要がない」と分かっているのに、その行為や行動をせずにはおれず、その行為を繰り返してしまうことを言います。例えば、既に手はきれいになっているはずなのに、まだ汚れていると心配する気持ちが抑えられず、何時間も手を洗い続けてしまう様なものです。

 また「強迫観念」とは、大抵は必要のない考え、例えば「運転中に人をはねてしまうのではないか」というような不快なことが繰り返し頭に浮かんでくる様なものです。

 この「強迫行為」や「強迫観念」のために、日常生活に支障が生じたり、ご本人の苦痛が強い場合は、強迫性障害と言います。

 朝、家を出た後で「あれっ、鍵かけたかな」と気になって、玄関まで戻って施錠を確認した経験のある方は少なくないと思います。一度確認すればそのまま出かけることができ、特に生活に支障は生じていません。これは強迫的な性格とか強迫傾向と言われており、強迫性障害とは違います。

 しかし、施錠の確認をしたのに、少し行くとまた気になって、家まで戻って施錠の確認をする、家を離れる、また気になって………と、何度も繰り返す、これを「確認強迫」と言います。そのために会社や学校に遅刻する、しかもそれが毎日の様に続きます。仕事は出来る人なのに、遅刻を繰り返し、上司や同僚から信頼されなくなります。

 「外を歩いている時、擦れ違った人を殴ってしまうんじゃないか」という考えが頭から離れず、外出できなくなった生徒さんは、学校を休み続けてしまいます。また、数字を見ると足し算をしてしまうというタクシーの運転手さんは、仕事中、対向車のナンバープレートの数字が目に入ると足し算をしてしまって、運転に集中できなくて、事故の危険が高くなります。

 この様な状態ですと、ご本人も苦しんでいますし、日常生活での支障も大きく、強迫性障害と考えられます。

 一人で悩んでいても解決しません。専門医による治療が必要ですので、精神科医に相談し、治療を始めるようにしましょう。

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