2013年10月
【月曜】 ファッションとカラーコンタクトレンズ
今回は、今話題のカラーコンタクトレンズ、いわゆる「カラコン」に関するお話しです。
コンタクトレンズのユーザーの内、主なカラコンの使用率は、2008年の8.2%から2012年には18.7%へ、4年で2倍以上に急増しています。それに伴って、カラコンによる眼の障害の患者さんが急激に増えています。
カラコンは、度の入っていないタイプも含めて殆どが「高度管理医療機器」として厚生労働省の承認を受けています。2009年には10品目程度でしたが、2013年には258品目に増えました。
しかし、2013年度の学会報告では全てのカラコンの中で安全と判断されたのは、5品目程度のごく限られた商品であるという、驚くべき実態が明らかになりました。
カラコンの安全性の判断は、第1は酸素が通過しやすいこと、第2は色素部分が正確にレンズの内部に存在すること、第3は装着やこすり洗いの時に色落ちしないこと、とされています。
カラコンの主な購入先は半数近くがインターネット通販です。そして、若年層ほどディスカウントショップでの利用者が多く、中高生の6割近くが眼科医の処方なしに購入しているという実態も明らかになって来ました。そのため、どのレンズが安全かという情報が、多くのユーザーに正確に伝わっていないのが現状です。
コンタクトレンズによる眼の障害のうち、カラコンによるものは14%程度となっています。しかも、眼科以外の非対面販売による購入者の場合に限れば、カラコンによる眼の障害は、全てのコンタクトの眼の障害の65%にもなることが分かってきました。
眼科でのコンタクトレンズの医療費はかなり軽減されます。加えて、眼科専門医に受診することで、自覚症状のない重大な病気が早期発見される場合もたくさんあります。
マスコミや芸能人などの影響によって、今後はカラコンがよりファッション化することが十分予測されます。髪の毛の色を染めるような感覚で取り扱う時代になっていく可能性も考えられます。カラコンでも一般のコンタクトレンズでも、目の粘膜に異物を入れるということをよく認識して、ご自分の大切な目の健康を守る意識を高めていただきたいと願っております。