2013年11月
【木曜】 胸焼け(逆流性食道炎)の話
食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした時などに「胸焼け」を感じた事はあるでしょうか。
「胸焼け」の主な原因が逆流性食道炎です。胃酸が食道に逆流する事による症状です。
逆流性食道炎の症状は「胸焼け」の他に、「げっぷがよく出る」「苦い水のこみ上げ感」「おなかのはり感」として感じることがあります。さらに「胸の痛み」「のどの痛み」「のどのひりひり感」の原因となることもあります。
このように、逆流性食道炎はさまざまな症状が出る病気ですが、自己判断で逆流性食道炎と断定するのは禁物です。
食道や胃にポリープやがんが出来ると、食べ物の流れが悪くなり、逆流性食道炎と似たような症状が出ることがあります。症状が続く時は、かかりつけ医療機関に相談して、必要な時には消化器専門の医療機関を紹介してもらい、胃カメラ検査を受けるようにしましょう。
胃酸は、塩酸のような強い酸(pH1~2)でできています。食道と胃のつなぎ目は、胃酸や食べ物が上にこみ上げないように、逆流を防止する弁になっています。この場所を締め付ける筋肉(括約筋)が緩くなったり、弁がずれたりすると、逆流性食道炎を起こします。
食道は、胃と違って酸に強くありません。食道への胃酸の逆流が続くと、食道の表面がただれたり、ひどい場合は潰瘍という深い傷をつくってしまいます。
逆流性食道炎の治療はいくつかあります。
治療の中心となるのが、「プロトンポンプ阻害薬」と呼ばれる、胃酸を押さえる薬です。1日1回飲むだけで、かなり症状が改善されます。
また薬だけでなく、食事療法も効果があります。夜遅く食事を摂ることや、脂肪分をひかえるようにしましょう。アルコールやカフェインは、食道と胃のつなぎ目の逆流を防止する弁を緩める働きがありますので、控える事が大切です。さらに、肥満も逆流性食道炎の原因となりますので、体重にもご注意ください。