2013年11月
【月曜】 女性に多い冷え性
「冷え性」そのものは病気ではありません。夏でも体が冷えている、手足が常に冷たい、人よりも寒がり、というような症状です。これは、女性の方が体の構造や生活習慣のために、「冷えやすい造り」になっているからです。
「冷え性」の原因は、血行不良と熱を起こす力の不足です。クーラーや薄着など体を冷やす外的刺激が多いと冷え性になりやすい体質を作ってしまいます。体を締め付ける衣装や、ヒールの高すぎる靴などで悪い姿勢が続くと、骨盤がゆがんで知らず知らずのうちに血行が悪くなっていることがあります。さらに、バランスの悪いダイエットによって脂肪より先に筋肉が減ってしまったり、ファストフードや加工食品や甘い物など体を冷やす食べ物を多く摂ることや、運動不足も、「冷え性」の原因となます。
血管は、女性は男性に比べて細いため血液の流れが滞りやすく、手足まで充分な血流がいきわたりにくいといえます。また、熱を作り出す元となる筋肉量が圧倒的に少ないため、どうしても熱量不足になりやすく、平熱も低くなりがちです。運動不足になれば、心臓が血液を押し出す力も弱く血行が悪くなりやすいといえます。
また、自律神経のバランスも崩れやすく、これは女性の一生にかかわる女性ホルモンの関与が考えられます。
「冷え性」のままでも健康に問題がないかを考えると、月経不順や不妊症、風邪をひきやすくなったり、内臓の働きが悪くなります。また、膀胱炎や腟炎などちょっとした炎症を繰り返しやすくなります。
「冷え性」を治すにはどうしたらいいでしょうか。改善方法の基本は、生活習慣と食習慣の改善です。
体を温める食品は、寒い地方で採れる物、土の中にできる物、発酵食品などです。ビタミンB1を多く含む豚肉や卵、ゴマ、焼き海苔などがよいでしょう。また、ビタミンEを多く含むイワシやカボチャ、ほうれん草なども食べるようにしましょう。
体を冷やす食べ物を控えることも大切です。夏に採れる物、暑い地域で採れる物、加工食品、ファストフード、白米や白い砂糖等(精白した食べ物)は、体を冷やす食べ物です。もちろん、冷たい飲み物なども控えた方がいいでしょう。よく処方してもらえる漢方薬の中にも、冷えを改善する成分が含まれているものがいくつかあります。