2013年12月
【月曜】 子どもに多い溶連菌感染症
溶連菌とは、「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌の略称で、この細菌がヒトに感染して病気の症状を引き起こすのが「溶連菌感染症」です。
溶連菌は、皮膚の病気である「とびひ」の原因菌のひとつでもありますが、溶連菌感染症とは、一般にこの菌が「のど」に感染し、咽頭炎や扁桃炎を起こす場合を指します。のどに細菌が入って移る病気ですから、集団生活をしている保育園児や幼稚園児、小学校低学年の子どもがよく罹ります。
溶連菌に感染すると、2日から4日の間にのどが赤く腫れてとても痛くなり、38度から39度台の熱が出ます。扁桃腺に白い膿みが付いたり、舌に赤いブツブツができるイチゴ舌(いちごじた)と呼ばれる症状が出たり、体に赤い細かい発疹が出たりすることもあります。
溶連菌感染症は、しっかり治療をしないと、心臓の弁を痛める「リウマチ熱」や、腎臓の働きを悪くする「急性糸球体(しきゅうたい)腎炎」という怖い合併症が起こる可能性がありますので、注意が必要です。
今は検査技術の進歩で、のどを綿棒でこすって検査試薬と反応させることで、一般の診療所でも10分程度で溶連菌が感染しているかどうかを調べることができます。
この菌には、幸いなことに抗生物質がよく効くので、溶連菌感染症はお薬を飲めば治る病気です。溶連菌感染症と診断されたら、医師から適切な抗生物質が処方されます。お薬はその種類で飲む日数が違いますが、7日から10日の間きっちり飲む必要があります。お薬がよく効くので、飲み始めて2日から3日で熱は下がり、のどの痛みも治まります。しかし、熱が下がったからといって途中で薬を止めると、後で心臓や腎臓の合併症を起こすことがあるので危険です。医師の指示どおり、お薬を飲み終えることが大切です。
また、薬を飲み終えた後に、腎臓の合併症が出ていないか調べるために、おしっこの検査を勧められることが多いので、治療が終わるまで、医師の指示に従ってください。