2014年2月
【金土日】子どもの顔のアザ
子どもの顔面のアザには、大きく分けて赤くなるタイプのアザと、黒または茶色い色のつくタイプのアザがあります。
第1の赤いアザは、細い血管の塊によるものです。平たいままの「単純性血管腫」と呼ばれるものと、盛り上がってくる「苺状血管腫」と呼ばれるものに分けられます。
単純性血管腫は、赤色または暗い赤色の平たいアザで、普通は消えません。ただし、額や眉間、瞼の内側、鼻の下などに乳児期に見られる淡い赤アザは、サーモンパッチと呼ばれ、1歳半くらいまでに消えてしまいますので、普通は治療する必要はありません。
苺状血管腫は、生後1~2週間くらいから現われ、半年後までに苺を半分に切って置いたみたいに、赤く軟らかな膨らんだアザになります。だいたい小学校までに自然に消えるものです。ただし、場所や大きさによっては、早くから治療した方が良いものもあります。
第2の、黒または茶色い色のつくアザの代表は、「色素性母斑(ぼはん)」と呼ばれます。小さいホクロと呼ばれるものから、体の表面の何割かを占めるような大きなものまで様々です。比較的大きいものの中には、硬い毛が密生して獣の皮のような感じであるため「獣皮様(じゅうひよう)母斑」と呼ばれます。
また、青または青黒い色になる「青色母斑」は、平たいアザかマメのような膨らみです。
さらに、淡い青味がかった褐色になる「太田母斑」は瞼、頬、額を中心に出やすいアザです。思春期に出ることが多いのですが、幼いうちから出ることもあります。このアザは、眼の中の白目の部分にもよくみられます。
これらのアザの治療は、レーザーを照射したり、形成手術で切り取ったり、冷凍凝固法で凍らせたりします。また、顔にできたり、急に大きくなった苺状血管腫では、ドライアイスをあてたり、放射線をあてたり、ステロイドホルモンの薬を飲んだりしますが、最近では、幼児期のなるべく早い時期のレーザー治療が良いとも言われています。
いずれにしても、子どもの顔のアザが気になる方は、皮膚科医または形成外科医にご相談ください。