兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年2月

【木曜】 鼻づまりから起こる病気

 鼻が詰まると、呼吸の妨げになるばかりでなく、ニオイが分かりにくくなり、食事がおいしくなくなります。また、仕事や勉強においては、活力や集中力が低下し、睡眠の障害になることもあるため、生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。

 鼻づまりを起こす原因はたくさんあります。

 まず、物理的に鼻の中が一時的に狭くなる状態があります。鼻水や異物、鼻の中にできたポリープなどによるものです。次に、鼻を構成する構造物が変化して狭くなる状態があります。鼻炎や蓄膿症や外傷による変形や「鼻中隔(びちゅうかく)彎曲(わんきょく)症」と呼ばれるものがあります。さらに、腫れ物で鼻の中が狭くなることもあり、何らかの原因で袋ができたり、上顎のがんや悪性リンパ腫などのこともあります。ですから、鼻づまりが起こればこれに対する対応を考えるとともに、原因を明らかにさせる診察が大事になります。

 年齢や性別をはじめ、鼻水がどのように出ているか、片側か両側か、左右交替に出るか、出血や痛みや発熱はどうか、過去に顔面外傷があるか、薬の使用があるかなどを医師は診察します。風邪症状の時の急性鼻炎や、花粉などによるアレルギー性鼻炎や蓄膿症、幼児や小児ではアデノイドや鼻の中の異物などが原因のこともあります。成人では点鼻薬や向精神薬で鼻づまりを起こすことも少なくありません。

 小児の場合、鼻での正常な呼吸が妨げられると、元気や落ち着きがなくなり、また歯や顎の発育にも悪い影響がおよぶこともあるため、大人以上に問題が大きいとされます。鼻づまりが強いと不自然な口呼吸となり、上気道を痛める原因になるほかに、睡眠時無呼吸を悪くする因子となったりします。

 ですから、鼻づまりくらいと放置せず、早めに耳鼻科など専門医に相談しましょう。鼻づまりを長期間放置したり、また逆に安易に市販薬や点鼻薬、我流の鼻うがいに頼ったりすることなく、ぜひ専門医を受診することをおすすめします。

 専門医では、鼻の中の診察のほか、鼻水の検査や、X線撮影などで診断して、あなたの病気にあった治療方法を選択します。時には手術治療や強力な薬での治療(化学療法)を必要とする疾患もあります。

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