2014年2月
【水曜】 知っておきたい不整脈の話
心臓は、筋肉でできた袋のようなもので、生まれてから死ぬまで休みなく働き、1日平均10万回という一定のリズムを保って、収縮と拡張とを繰り返し動いています。そして、ポンプのような働きをしながら血液を全身に送り出します。先ず最初に心臓を動かす命令を出すのは、洞房結節(どうぼうけっせつ)という心臓のなかにある所が興奮し、その興奮が特別の命令系統を通って、心房と言う所から心室に伝わり心臓の働きを決めています。
心臓のリズムが乱れ、興奮が正常に伝わらない状態を「不整脈」と言います。
不整脈には、遅くなり過ぎる時と、早くなり過ぎる時とがあります。命に危険がないものが多いのですが、まれには突然死の原因になる恐ろしいものがあります。とくに早くなり過ぎる時に危険な不整脈が多くあります。
基礎に病気があればその治療を十分にすることが大切です。致命的な不整脈を起こす疾患も色々発見され病名もついていますが、基礎に病気がなくても起こり、年齢は幼児から高齢者まで関係なく、加齢は大きな誘因です。心電図で特徴的な所見を示すものもありますので、心臓の専門医に相談してください。
脈がおかしいなと感じたらすぐ主治医の先生に相談してください。受診の時には、過去に失神したことがあったり、家族に突然死の方がおられた場合は、ぜひ申告してください。
スポーツをされる方や指導者に知っていただきたいことがあります。それは、運動負荷をしても脈拍の変化が少ない場合や、戻り方が悪い場合です。運動前に80以上、運動中が90以下、運動後の安静時に心臓の拍動の減り方が25よりも少ない場合は危険だという報告もあります。日頃、ご自分で運動前後の脈拍を調べておくことも、突然死の予防に繋がります。
その他、睡眠障害や喫煙、ストレスも誘因になります。日頃の生活管理が大切です。特に、寂しい気分の方は注意が必要です。
日本心電学会が認めた『不整脈手帳』があります。不整脈があって心配な方は、主治医の先生にご相談のうえ、この手帳をもらってください。