兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年4月

【木曜】 忘れてはいけない結核

 近年、高齢者の結核患者の増加が指摘されています。若い時に結核に感染して、治療を行っていったんは治癒したはずの人が、高齢になって免疫力低下をキッカケに、結核を再発することが分かってきました。

 結核は過去の病気ではなく、今でも世界で毎年約800万人が発病して、約300万人が死亡しています。

 日本は、人口10万人に対して19人という中等度の蔓延国です。年間2~3万人が発病し、年間の死亡者数は約2000人です。大阪府、東京都、愛知県など都市部での罹患率が高く、国内でも地域差が見られます。

 原因となる結核菌には、次の3つの特徴があります。第1は、空気感染であること、第2は、結核菌は強固な細胞の壁をもつため乾燥や消毒に強いこと、第3は、感染した結核菌は体内で増殖できない環境になっても死滅せずに、高齢化などによる免疫力の低下をキッカケに活動を再開することがあることです。

 結核には、「肺結核」とそれ以外の「肺外結核」の2種類があります。肺結核は、喀痰検査や胸部エックス線検査で診断できます。肺外結核は、肺結核に続発することが多く、全結核の2割程度を占め、大半は肺の周りの胸膜で起こり、次いでリンパ節、脊椎、骨、関節、腸、尿路で起こります。

 肺結核は発熱(微熱)、全身倦怠感、咳、痰に血が混じるなどの症状があります。通常みられる風邪症状とあまり変わりませんが、風邪やインフルエンザをきちんと治療したにもかかわらず、治らない人の中に肺結核が隠れていることがあります。従って、長引く微熱や咳、痰、全身倦怠感などがある場合は、血液検査、喀痰検査、胸部エックス線検査を行う必要があります。

 また高齢化以外の免疫力の低下では、たとえば関節リウマチの治療でステロイド剤などの薬を使った場合には、免疫機能が低下するために、結核菌が再活性化されて結核が再発することがあります。そのため、過去に結核の治療歴のある人は、再発に十分注意しなければなりません。

 微熱や全身倦怠感、咳、痰が長く続くようであれば、かかりつけの医師に相談して検査を受けるようにしましょう。

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