2014年4月
【火曜】 寝たきりの方の口の手入れ
寝たきりの方は、いろいろな原因で口の中をきれいにすることが困難になります。認知症の場合は、歯のブラッシング自体を忘れてしまいます。手が不自由な方は、だんだんブラッシングが嫌になられる場合もあります。
口の中をケアすることは、高齢者の誤嚥性肺炎など呼吸器の病気を防ぐためにも大切です。
寝たきりの方の口の中を覗いて、次の8つを観察してみましょう。
1つ目は、食べ物が飲み込みにくくなって、食事が終わっても口の中に残っていないか。2つ目は、歯に穴の空いた所はないか。3つ目は、歯に白い汚れが溜まっていないか。4つ目は、歯ぐきが赤く腫れていないか。5つ目は、舌や頬の内側が白くなったり赤くなっていないか。6つ目は、入れ歯が壊れたり緩んでいないか。7つ目は、口臭が強くなっていないか。8つ目は、唾液が出なくて乾燥していないか、などを確認しましょう。
寝たきりの方でも、食後のブラッシングは、できるだけイスやベッドに座った姿勢のままで行いましょう。
入れ歯を入れている場合は、食後に入れ歯をはずしてブラシでよく洗ってください。残っている歯には、ナイロンの歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやスポンジブラシと呼ばれるものも有効です。そして、口の中に痛みがあったり歯ぐきから出血がある場合は、できるだけ軟らかめの歯ブラシで歯の汚れを取ってください。
口の中の手入れでは、舌や頬の内側、上あごの裏など粘膜の場所を、軟らかめの歯ブラシやスポンジブラシでケアすることも有効です。
口の中が乾燥している場合は、保湿剤などを使ってできるだけ乾燥を防ぎましよう。これは、口の中にカビが生えてくる「カンジダ症」という病気を予防する効果があります。
口の中の手入れの方法や、口の中の痛みや入れ歯の不具合で食事がしにくくなった場合、さらに肺炎を予防するためにも、ぜひかかりつけの歯科医師に相談してください。往診される歯科医院も増えています。介護認定を受けている方は、ケアマネジャーさんに相談されてもよいでしょう。