2014年5月
【月曜】 老後のセクシャルライフ
人間は誰でも、年をとると性欲が衰え性器も老化するのは当然のことです。加齢とともに、女性は性器の分泌物が減り、男性は勃起力が衰えます。80歳の男性では、睾丸の重さは若い頃の半分になり、精液も出なくなります。
もちろん、女性の性器はゼリーを塗ることで潤いを回復し、男性はバイアグラを服用して勃起力を取り戻すことができます。しかしバイアグラは、病気を持っている人には危険な場合があり、事前に医療機関を受診する必要があります。高齢化がすすめばバイアグラも効かなくなります。
「性交まですすまないとセックスとは言えない」「そこまで突き進まないとダメ」という人には、老後のセクシャルライフは非常に淋しいものになってしまいます。
また、そこまでがんばる老人の場合は危険を伴うこともあります。性交中に突然死する、いわゆる「腹上死」です。一般には、自分の家で死亡する例は少なく、自分の家でない場所、それも不自然な関係、例えば相手の女性が非常に若い場合や、それに飲酒が伴うととても危険です。腹上死に至らなくても脳梗塞発作を起こす場合もあります。
老人には性交をするなという訳ではありませんが、「年寄りの冷や水」という言葉もあります。老人は自分の体力や健康を考えて、無理のないセクシャルライフを過ごしていただきたいと思います。
身体の位置は、上下になるのは負担が大きいですから、横向き(側臥位)で身体を絡めあうだけでも十分楽しめます。ぬるめのお風呂に2人でゆっくりつかるのも良いでしょう。
セックスの一番の基本は心の触れあいです。お互いに愛し合い許しあっている間柄ならば、自分たちの体力や好みに合う方法を話し合って、セクシャルライフを過ごしてはいかがでしょうか。仮に性交が不完全で中途半端なものであっても、それを許しあうことが楽しいのではないでしょうか。
セックスを広く考えた場合、趣味の会などで異性の友だちを持つことも含まれます。
老夫婦がいつも2人だけで向き合ってしまって、他に友だちが1人もいないというのは良くありません。老齢化すると社会との関わりが薄くなりやすいものです。とくに男性の場合は、つれあいを亡くされてがっくり落ち込む人が多いようです。望まぬことですが、どちらかが先に死ぬのですから、その後のことも考えておく必要があります。