兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年7月

【水曜】 肩こりの予防と治療法

 肩こりは、身体に関するあらゆる違和感の訴え(愁訴)のなかで、1-2位を占めるほど多いものです。

 肩こりとは、肩から首の後ろにかけて、持続的な痛みを主に訴える状態を言います。いわゆる「五十肩」とは違います。しばしば筋肉の強い張りや、首の運動制限を伴うものです。首の周囲の筋肉や、首から背中にある「僧帽筋」と呼ばれる筋肉に、何らかの負担が加わって生じるものと考えられます。

 肩こりを起こす病気として、頚椎椎間板ヘルニアや、加齢による頚椎の変形をはじめ、ストレスや高血圧からも起こることがあります。

 予防のためには、次の6つのポイントを心がけましょう。

 ①同じ姿勢を長く続けないこと、②仕事の合間に時々、首や肩を動かして、あまり根を詰めないこと、③首や肩関節の周囲の筋肉を、日頃から鍛えるようにすることです。さらに、④肩こり体操などのストレッチを行うこと、⑤なるべくストレスを溜めないようにする、⑥首や肩を冷やさないよう、保温に努めることです。

 治療の方法を、5つご紹介します。

 第1は、首を器械で引っ張る牽引療法です。肩こりは、首から出ている神経根が圧迫され、炎症を起こして痛みや腫れが起きています。器械で引っ張ることで神経がゆったりして血液の流れを改善させます。また、首の筋肉のストレッチ作用もあります。

 第2は、首の温熱療法や、電気針を含む針治療です。これは筋肉の緊張を和らげ、血液の流れを良くして痛みを取ることができます。

 第3は、「トリガーポイント」と呼ばれる注射です。筋肉の痛む場所に、麻酔剤やステロイドホルモン剤などを注射します。

 第4は、コリがとてもひどい場合には、保温とは逆に冷やす方法が効果を表すことがあります。

 第5は、薬物療法です。筋肉の緊張を和らげる薬、消炎鎮痛薬、抗不安薬、漢方薬などを、病気の原因に応じて医師は処方します。

 肩こりの治療で気をつけることは、「重い高血圧」「化膿性脊椎炎」「脊椎腫瘍」などを原因とする場合です。内科の病気にも注意する必要があります。

 「肩こりがひどくなったかな」と思われる方は、かかりつけの医師にご相談ください。

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