兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年9月

【金土日】ホクロと黒色腫(こくしょくしゅ)

 ホクロは、カラダのどの皮膚にでも発生します。生まれたばかりの赤ちゃんの肌にはほとんど見られませんが、大きくなるにつれ、皮膚に黒っぽい褐色の斑点が徐々に増えてきます。

 これは、主として「母斑(ぼはん)細胞」という細胞が異常に繁殖することによって、黒っぽい褐色の斑点が皮膚に生じて起こります。皮膚の浅い部位にできる母斑細胞は、メラニンという色素を作る能力が高いので、黒く見えます。また皮膚の深いところにある真皮(しんぴ)といわれる場所では、メラニンを作る能力が低いので、黒くみえないで、盛り上がるタイプのホクロが多く見られます。

 母斑細胞とは別に、もう一つのメラニンを作る細胞、すなわち「メラノサイト」と呼ばれるものが集まってできる、黒色の色素斑があります。

 これら2種類の細胞からできたホクロの中から、ケガや紫外線、放射線、打ち身といった刺激によって「悪性黒色腫」という、ホクロのガンが発生する場合があります。悪性になる兆候は、急に大きくなったり盛り上がったり、だんだん黒くなって周辺へ茶色のしみだしが出てきたり、赤黒くなって出血したり、境界がはっきりしなくなったりすることです。

 手のひらと足の裏に、直径6ミリ以上の大きさのホクロがあれば要注意です。悪性黒色腫の中でも、特に手足にできる色素斑が悪性化したものが日本人には多く、悪性黒色腫の約半分を占めています。悪性黒色腫がなぜ怖いのかという理由は、リンパ管や血管を通して肺や脳へ転移しやすいからです。

 ホクロのがんは早期発見、早期治療が必要です。治療は、原則的には外科手術で切除しますが、抗がん剤による化学療法なども組み合わせて行います。

 また、ホクロと似たものに、皮膚の老化現象である「しみ」があります。これは医学的には「老人性色素斑」といい、年齢や紫外線の影響によって、顔や手足などに茶褐色の色素斑ができます。この老人性色素斑の一部が、いぼのように隆起して良性の腫瘍になったものを、「老人性疣贅(ゆうぜい)」といいます。これがいわゆる老人性いぼです。

 これらの症状に気づいたら、まずかかりつけの皮膚科医にご相談ください。

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