兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2014年9月

【水曜】 ぎっくり腰の話

 急に起こる腰痛、すなわち急性腰痛症を、いわゆる「ぎっくり腰」といいます。中腰で物を持ち上げたり、不自然な姿勢を続けている時などに突然起こります。

 原因は、腰の筋肉の痛みや靭帯の捻挫のこともあれば、椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折のこともあります。ですから「ぎっくり腰」は、あくまでも原因がはっきりするまでの仮の病名です。

 治療の第一は安静です。起きていられないくらいの痛みがある時は、軽く膝を曲げて痛みを避ける格好で、横向けに寝るのがよいと思います。どうしても用事があって安静にできない時は、腰椎コルセットをつけると動作が楽になることがあります。

 一般には痛みで緊張している腰の筋肉を和らげるために、患部を暖めたほうがよいでしょう。しかし患部に熱を持つ場合は暖めてはいけません。湿布薬は炎症を鎮める成分を含んでいますので、患部に貼ると腰痛が和らぐことがあります。患部の保温でも湿布薬でも、楽に感じられる方を選んでいただいて構いません。

 これらの方法で治らない場合や、足先まで痛みや痺れがある場合は、医療機関を受診してください。診察の上、X線検査やMRI検査などで腰痛の原因を診断します。

 足に痺れや麻痺がある場合は「椎間板ヘルニア」の疑いがあります。また高齢の方では、特に転んだりぶつけたりした覚えがなくても、骨粗鬆症によって背骨に圧迫骨折を起こした可能性があります。ほかに、腎臓や尿管の結石、内臓疾患、脊椎の腫瘍が原因で腰痛を起こすこともあります。

 急性の腰痛の初期に、自己判断でマッサージや指圧を受けて、痛みがさらに悪化してから受診する方も多いので、まずは正しい診断を医療機関で受けることが重要です。

 痛みをあまり我慢し過ぎると、その部分の血管が収縮して循環障害が起こり、さらに痛みを長引かせる悪循環に陥ります。痛みが治まらなければ、早めに医療機関を受診して飲み薬、張り薬、温熱などの物理療法、ブロック注射などで痛みを取り除く治療をする方がよいと思います。

 過労、寝不足、肥満、ストレスから「ぎっくり腰」になる方も多くおられます。腰痛予防のためには日常の規則正しい生活と、腰椎体操やストレッチなどによる体調管理が有効です。

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