兵庫県保険医協会

会員ページ 文字サイズ

健康情報テレホンサービス

2014年9月

【月曜】 高年齢出産へのアドバイス

 女性も仕事を持つことがごく当たり前の現代では、30歳代の初産は珍しくなくなっています。

 また、35歳を過ぎてからの初産、つまり初めての出産は「高年初産」と言われ、34歳以下の人の出産とは区別されています。これは、35歳を過ぎると、統計から見ていろいろなトラブルが起こる危険が高くなるので、妊婦さんの側も医療者の側も、注意して出産に臨みましょうといった意味合いです。

 高年齢出産では、妊娠中にむくみやタンパク尿が出たり、高血圧になったりといった妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)や、妊娠性糖尿病などの合併症を起こしやすくなります。

 また、出産のときになかなか子宮口が開かなくなったり、産道の伸びが悪くてお産が進まず、分娩時間が長引いてしまうこともあります。赤ちゃんの状態によっては、吸引分娩になったり、緊急帝王切開に切りかわることもありますので、主治医と相談してトラブルに対応できる総合病院などを選ぶと安心です。

 もうひとつ統計的に明らかにされているのは、染色体異常が起こる率が高くなることです。代表的なのが、ダウン症候群です。ダウン症候群は21番目の染色体が1本増えた状態です。知的発達障害や運動障害を持ち、心臓病などを合併することが多いと言われています。

 高年齢出産ではなくても、その可能性はもともと誰にでもあるものですから、いたずらに不安になる必要はありません。しかし心配であれば「出生前診断」を受けることができます。これは希望者にのみ実施されるものです。

 出生前診断は、従来の出生前検査(「クアトロテスト」「コンバインドテスト」「羊水検査」など)に加え、「新型出生前診断」があります。命の選別につながる、人工妊娠中絶が増えるなど、社会的にも議論のあるところです。新型の検査方法は、妊婦さんの血液の中に含まれている胎児のDNAを、最新の医療技術を用いて調べるものです。検査費用が約20万円と高額であり、主治医とよく相談してください。

 年齢的なハンディに関してはあまり神経質になりすぎず、主治医と相談しながらきちんと管理をし、納得のいく出産ができることを心がけましょう。

2022年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年
※健康情報テレホンサービス内検索です。