2014年10月
【火曜】 高齢者・障害者の日常生活用具
高齢になるに伴い体の動きが低下したり、障害を持っておられることで、日常生活に不自由さや不便さを感じておられる方が多いと思います。
今回は、そんな方たちの日常生活をサポートして生活の質を高めるための「日常生活用具の給付」についてお話します。
まず、障害を持っておられる方の場合です。
大きく分けて、①特殊寝台やマット、体位変換器や移動用リフトなどの「介護・訓練支援用具」、②杖、電磁調理器、火災警報器などの「自立生活支援用具」、③吸入・吸引器や酸素ボンベ運搬車などの「在宅療養等支援用具」、④携帯用会話補助装置やパソコンなどの「情報・通信支援用具」や、福祉電話やファクスなどの「情報・意思疎通支援用具」、⑤紙おむつや尿を集める器具、ストーマ装具などの「排泄管理支援用具」の5種類があります。
これらはいずれも、障害者手帳に記されている障害の種類によって、給付または貸付が受けられるものが決められています。
また、これら日常生活用具の給付事業は、「障害者総合支援法」という法律による地域生活支援事業のひとつですが、実施主体が地方自治体で、予算も国の規制の枠内であるために、自治体によって給付に違いがある場合もあります。
生活の質を高め少しでも安全で快適な生活を送るために、具体的な生活用具を自治体の窓口で確認してみてください。
次に高齢者の方の場合です。
介護保険制度が始まるまでは、自治体の「高齢者保健福祉計画」などで多くの日常生活用具が無料で給付されていましたが、現在では、車いすや電動ベッドなどその主なものが介護保険制度の有料レンタル品になってしまいました。
そんな中でも、体の機能が低下された高齢者の方を対象に、多くの自治体では、①電磁調理器や火災報知機、自動消火器などの給付事業、②福祉電話の貸付事業を行っています。また、社会福祉協議会が、65歳以上の方を対象にした電動ベッドや車いすの短期貸付を行っているところもあります。さらに、地域包括支援センターなどが、吸入吸引器などを貸付してくれる介護保険事業所を紹介してもらえることもあります。
日常生活が不自由になりはじめたら、ぜひ自治体の相談窓口や、社会福祉協議会、地域包括支援センターに問い合わせてみてください。