兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年1月

【木曜】 頭を打った時

 頭を打ったとき、本人並びに周りの人は何に注意する必要があるかお話します。

 頭部のケガつまり受傷には様々な原因があり、ケガの場所や程度によって、その後の処置が異なることもありますから、周りの人は外傷前後の受傷者の様子をよく見て、受診の際に医師に伝えてください。

 倒れて頭を打ったり、事故や物が飛んできて受傷します。倒れて頭を打った時や、階段からの転落や不注意で滑った時に、意識が消失して倒れることがあります。意識消失はてんかん発作や心臓発作で発生しますので、頭部外傷に伴う検査だけではなく、脳波や心電図検査も必要になります。

 外から加わった力の強弱だけでなく、受傷直後の意識変化も重要です。受傷時に意識障害もなく、自分で立ち上がることができ、打僕部の痛みだけであれば、当日は安静にして経過を見てください。

 受傷時に意識障害を伴うようだと、頭蓋内の出血と関係することがあり、経過観察が必要です。意識障害時は、本人には分かりませんので、周りの人の観察が大切です。

 ただし、意識障害とケガをした時に記憶を失うこととは異なります。

 意識障害とは、会話や行動ができなくなり、重症では昏睡状態になります。持続時間は一瞬から数分が多く、時には数時間持続します。意識障害の持続時間が長くなれば、緊急検査が必要になります。意識障害の程度と持続時間が非常に大切です。記憶を失うことは、例えばラグビーや柔道で頭部打撲を受け、その後も普通に競技ができているのに、その間の記憶が失われている、「外傷性健忘症」と言われるものがあります。多くは異常なく経過します。

 意識障害とともに、てんかん発作や嘔吐を伴ったりしますと危険な兆候です。至急、救急車を呼んで、脳神経外科での処置を受けてください。

 このような異常がなくても、次の7つのことがあれば受診してください。①吐き気や嘔吐が続く時。②ぼんやりしてすぐに眠り込んで、起こしても起きない時。③子どもで顔色が悪くなり、ぐったりとして元気がない時です。ただし機嫌良く遊んで食べることができれば、受診の必要はありません。④だんだん頭痛が強くなる時。⑤手足がしびれ歩けなくなる時。⑥高熱やけいれんが出る時。⑦視力が落ちたり、物が二重に見える時です。

 なお中高年では、受傷後1カ月~4カ月にこれらの症状が出ることもあります。いずれにしても、頭を打った時には、少なくとも2~3日間は十分に注意をしてください。

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