2015年2月
【金土日】薬局で薬を買う時に気をつけたいこと
ちょっと頭が痛い時やお腹が痛い時、薬局で薬を買う機会があると思います。
近年、薬局では「第1類医薬品」という、薬剤師が顔を合わせて相談の上で販売することが義務付けられた薬が増えてきました。この薬は、今までなら医師の処方せんがないと入手できなかった「医療用医薬品」から移行したものが多く、「スイッチOTC」と呼ばれています。OTCとは、オーバー・ザ・カウンターという英語の略です。
スイッチOTCの薬は、薬の効き目が高いので、適切に使用すれば早期に病状が回復しますが、他方では、セルフ・メディケーション、つまり「自分の健康は自分で守る」という考え方に基づいています。そのため、自己責任で購入することになります。このことは、第2類、第3類を含む全ての一般用医薬品、つまり市販の薬にも当てはまります。
薬局で薬を買う時には、本人または家族が、いつから、どのような症状があるか、他に飲んでいる薬やサプリメントがあるか、女性では妊娠や授乳の有無などをきちんと伝えて、適切な薬を選びましょう。お薬手帳を持っていれば提示してください。薬剤師は、薬の飲み合わせも含めたアドバイスをします。
これから季節の変わり目を迎えます。高齢者や子どもの肺炎など、医療機関を受診する必要のある病気も多いので、OTCの薬が適切かどうかを見極めるのも薬剤師の大切な仕事です。なんでも相談できる、かかりつけの薬局があれば安心ですね。
ひと昔前は、家族全員のことを知っていてくれている「くすり屋さん」が身近にありました。現在はテナントの保険調剤薬局やドラッグストアに様変わりしていますが、薬局や薬剤師の担う役割は変わっていません。ただし、扱っている薬の種類は、処方せんによる医療用医薬品やOTCの薬が圧倒的に増えたため、薬剤師の役割は重要になっています。
身近な医療提供施設としての薬局を、ぜひとも上手に利用しましょう。