兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年2月

【木曜】 前立腺がんを早期発見しましょう

 前立腺は、膀胱の出口にある男性だけの臓器で、通常はクルミくらいの大きさです。

 この前立腺に発生するがんが日本でも明らかに増えてきています。その理由としては食生活の欧米化と高齢化、そして検診の普及などがあげられています。

 このがんは、前立腺の外側の場所にできやすいため、尿が出にくいなどの排尿障害や血尿と言った症状は比較的出にくく、検診で見つかることが多くなって来ています。直腸からの簡単な検査や、血液中の腫瘍マーカーであるPSA(ピーエスエー)の数値で診断します。

 PSAは、前立腺特異抗原の略語で、前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパク質です。多くは精液の中に分泌されますが、そのごく微量が血液中に取り込まれます。その基準値は4(ng/ml)前後とされています。

 また、前立腺がんは進行すると、骨に転移することが多く、腰の痛みや神経症状で見つかることも稀ではありません。このように前立腺がんが疑われたら、前立腺の一部を針で刺して行う細胞検査を受けてください。

 以前は、進行した状態で見つかるがんが多かったのですが、最近では診断技術の進歩などにより、限られた場所の比較的早期のがんが発見され、前立腺を摘出する手術が増えています。手術以外にも、様々な放射線療法も広く行われ、その他の新しい治療法も少しずつ開発され、効果が上がっています。

 高齢者や進行したがんの患者さんでは、男性ホルモンを抑える注射や飲み薬を用いた内分泌(ないぷんぴ)療法という、比較的身体への負担が少ない方法が基本となっています。

 他のがんと違って、前立腺がんは進行・増殖が穏やかなことも多く、全身の骨などに転移している場合でも内分泌療法に非常に良く反応することもあります。

 50歳以上の男性は、尿が出にくいなどの排尿障害や血尿がなくても、年に1回程度お近くの泌尿器科を受診され、がんの定期検診としてPSA検査を受けることをおすすめします。

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