2015年3月
【木曜】 声のかすれ
カゼをひいた時とか、カラオケで大騒ぎした時などに、声がかすれてしまった経験をお持ちの方がいらっしゃると思います。
まず、声はどこで作られるのでしょうか。のどの奥には喉頭(こうとう)と呼ばれる場所があり、そこに声帯という粘膜のヒダがあります。この声帯が笛の役割をしており、その粘膜のヒダが振動することによって声が作られています。
ですから、この声帯や喉頭に何かの異常が生じると声がかすれます。
声のかすれの原因として最も多いのは、カゼの時などにみられる喉頭の炎症です。この時期に声を使い過ぎたり、ひどい咳が続いたり、粘膜をいためるゴミなどの微粒子やタバコの煙にさらされたりしているうちに、治療が遅れて炎症が慢性化することもあります。時には、声帯の一部が腫れて声帯のしこりやポリープになります。他には、心の病やホルモン異常の場合でも声がかすれます。
大切なことは、声帯にがんができていたり、声帯を動かす神経マヒの原因が肺がんや甲状腺がんや大動脈瘤である場合があることです。
声帯のがんの多くは、タバコを吸う中年以降の男性にみられます。ちなみに、1日の喫煙本数×喫煙年数が600以上になると喉頭がんの危険が高くなります。喫煙者はタバコを吸わない人に比べて約30倍も喉頭がんにかかりやすいというデータもあります。特に高齢者でタバコを吸っておられる方は要注意です。
声がかすれたなと思ったら、まず無理に声を出さないようにしましょう。3~4日間はのどを安静にすることが大切です。喫煙・受動喫煙も含めのどの乾燥を避け、うがいを1日4回位おこなってください。
声のかすれは原因により対応が異なってきます。数日たっても声のかすれが治らない時は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。どこの耳鼻咽喉科でも、喉頭ファイバースコピー検査といって、鼻から細長いファイバーを通して声帯まで見る検査設備があります。予約なしでもすぐに検査ができ、結果もその日に分かります。
喉頭がんであった場合でも、早い時期なら手術などをせずに治せる場合が多いのですが、何もしなければ手遅れになる場合もあることにご注意ください。
どんな病気でも早期受診をこころがけましょう。