2015年4月
【水曜】 リウマチと間違えやすい手の変形
まず、リウマチのことを説明します。
リウマチは、正確には「慢性関節リウマチ」と言います。関節が慢性的に腫れて痛くなってくる病気で、手首や手の指の関節が必ず侵されるという特徴があります。男女別では、女性が男性の2倍多く罹ります。罹りやすい年齢は、40歳から70歳までとなっています。主に中年の病気と言われていますが、リウマチ患者の3分の1は、20代、30代で発症しています。
リウマチはどのように診断するのでしょうか。
第1に症状を診ます。手首、手の指が腫れている、左右とも対称に腫れている、朝起きた時に指がこわばっている、こうした症状があれば、リウマチが疑われます。
第2にエックス線検査をします。リウマチになった手は特有の変化を現しますから、特に手首のエックス線検査が重要です。
第3に血液検査をします。血液検査はエックス線検査よりも早くリウマチの変化が出ます。特に、早期のリウマチを見つけるためには、血液検査が欠かせません。最近の血液検査は非常に優秀です。リウマチを疑ったら必ず、血液検査まで受けてください。
次に、リウマチと間違えやすい手の変形のことを説明します。
これは、「変形性指関節症(ゆびかんせつしょう)」または、「ヘバーデン結節」という名で知られています。40代以上の人が罹ります。「変形性」とは、老化現象を意味する言葉です。すなわち、関節が老化して軟骨が磨り減り、余分な骨が出てきて変形を起こすわけです。「ヘバーデン」とは発見した人の名前です。「結節」とは「しこり」のことです。
これら2つの病名は、ほぼ同じものを意味しています。腫れるのではなく、骨の組織が増えたために変形を起こしているわけですから、ご自分では区別しにくいかもしれません。
変形性指関節症ならば、特別の薬はありませんが、リハビリや鎮痛剤、注射で改善します。リウマチとの区別に迷ったら、かかりつけの医師やリウマチ科、整形外科の専門医に相談してください。