兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年4月

【月曜】 加齢黄斑変性症

 加齢黄斑変性症は、テレビの健康番組でよく取り上げられ、緑内障や白内障とともにとても関心の高い目の病気の一つです。

 黄斑という場所は、目の奥にある網膜の中心にあります。加齢黄斑変性は、老化によって網膜の奥にある膜が変化したために発症します。

 この病気は、「萎縮型」と「滲出(しんしゅつ)型」の二つのタイプがあります。

 萎縮型は、網膜が薄くやせたために起こるものです。滲出型は、網膜の奥にある脈絡膜と呼ばれる所から通常と異なる新しい血管、これを新生血管と呼びますが、この血管が網膜の下の方に侵入し、腫れや出血を起こします。腫れを起こせば物が歪んで見え、出血を起こせば視野が欠けてしまいます

 危険因子としては、老化以外に喫煙、高血圧、肥満などが考えられています。最近では特有の遺伝子異常を持った人に多いことも分かってきています。

 診断には、まず眼底検査を行います。滲出型ではさらに、眼底の血管を写し出して新生血管の状態を詳しく調べます。検査は、眼底に弱い光を当て、戻ってきた光の波によって黄斑部を写し出します(光干渉断層計・OCT)。最近の技術進歩によって画面がさらにはっきりしますので、なくてはならない検査となっています。

 治療は、病気のタイプによって異なります。萎縮型は、現在のところ残念ながら有効な治療はありません。従って、主な治療は滲出型で、新生血管からの腫れや出血を抑え、視力低下を食い止めることを目的としたものになります。弱いレーザー光線を照射して、周囲の網膜を痛めず新生血管だけを抑えるという治療法や、新生血管の進行を抑える薬を眼の中に注射する治療法があります。

 最近の話題としては、まずiPS細胞を用いた新たな治療法(網膜色素上皮細胞移植)が進みつつあります。また予防には、黄斑部に存在するルテインという色素が注目されています。老化によってルテインの量が減少して、これが黄斑変性を起こす原因の一つになると考えられており、ブルーベリーや緑黄色野菜、サプリメントによる摂取が黄斑変性の抑制や治療に有効ではないかと期待されています。

 気になることがあれば、近くの眼科医院を受診してください。

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