2015年5月
【金土日】働く人のメンタルヘルス
健康は、栄養と運動、そして休養で保たれます。
メンタルヘルスでは休養が重要です。肉体的疲労に比べ、精神的疲労は回復が遅いとされます。精神的疲労の原因はストレスが多いですから、ストレス対策がメンタルヘルスでは重要です。人生にはある程度のストレスというスパイスがあるものですが、スパイスが効きすぎるのも苦痛を感じます。
職場のストレス対策として、働く人の「ストレス耐性の強化」と「職場のストレス対策」の2つが重要とされます。職場において産業衛生スタッフが担当し、疲労の程度をストレスケアの目安にします。時間外勤務が月に60時間を超えるようであれば注意が必要とされます。また、上司の指導とハラスメントとの線引きも難しいとされます。
慢性的なストレスはうつ病に発展することもあります。
うつ病は、不眠や食欲低下、悲哀感、希望喪失、ふつうではない持続的な気分の高揚、繰り返し身体症状を訴えるなどの特徴があると考えられます。ですから十分な休養が必要です。
自死に対しても、うつ病では注意が必要です。WHO・世界保健機構は、自死の90%に精神疾患があり、60%がうつ状態であると推定しています。また、自死はそのほとんどが防ぐことのできる社会的問題と定義しています。
自死の予防を個別で対応することは難しく、社会全体の問題として捉える必要があります。自死の中心となる問題はうつ状態、耐えられない心の痛みに対する激しい怒りや行動と考えられます。
うつ病の治療は、神経に刺激を伝達する物質であるセロトニン、ノルアドレナリンと呼ばれるものを薬で調整することが中心です。薬物療法以外には、認知行動療法等の心理療法があり、呼吸法や自律訓練法などの自己催眠法もリラクゼーションの効果が高いです。最近は、リハビリテーションとしての作業療法や、復職支援などの「リワークプログラム」も徐々に普及しつつあります。
ストレスを客観視することが重要ですが、自分ではなかなか気づかないことが多いものですから、
まずはかかりつけの医師に相談することで解決につなげましょう。かかりつけ医師は産業医として企業に助言を行っていることも多いものです。