2015年5月
【木曜】 鼻血が出たら
鼻血は、鼻の中やのどの上の方にある粘膜から出血し、鼻の入口やのどに流れてきます。
多くの場合、少量の血がティッシュにつく程度か、出ても1-2分で止まります。しかし、たくさん出てなかなか止まらないと、誰でも慌てるものです。「こんなに出て大丈夫か」と不安になることでしょう。
まずは、鼻血が出る仕組みをお話します。
鼻の中には、左右に分けている壁があります。鼻の入口から2-3㎝ほど入った粘膜の部分には、細い血管がたくさん集まっており、急性または慢性の鼻の炎症がある場合や、鼻を打った時、よく鼻をいじる癖のある人などは、この部分から出血することがよくあります。
子どもの鼻血は、鼻いじりによることが多く、またアレルギー性鼻炎によることもあります。
鼻やのどの上の方のがんや白血病でも鼻血がみられることがあり、心臓などの病気や脳梗塞で血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は、鼻血をくり返すことがあります。
次に、鼻血を止める方法をお話します。
鼻血が出ても、少しの量ですぐ止まる場合は様子をみましょう。たくさん出てなかなか止まらない場合は、鼻の両側を親指と人差し指でつまんで圧迫してください。または、血が出ている側の鼻の中に、5㎝ぐらいの長さの綿を詰めて、指で鼻の外側から中の壁に向かって圧迫します。なお、ティッシュを用いても、直接的な止血効果は少ないために、おすすめできません。
のどに流れる血は吐き出しましょう。血が固まってどろっとしたものがのどに落ちてくる時も、飲み込まずに吐き出してください。
そして、鼻に綿を詰めたままで、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診してください。
耳鼻咽喉科での鼻血の治療法は、出血しているところを止血するために、抗生剤の軟膏をつけた細長いガーゼを鼻の中に詰めたり、電気で血管を焼く治療を行います。止血剤も使います。
鼻血をくり返す方や、鼻水・鼻づまり・鼻の痒みのある方は、鼻の病気があると思われます。早期に受診して治療されることをおすすめします。