2015年6月
【金土日】水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは、正式の病名を伝染性軟属腫と言います。
ウイルス感染症の一種で、子どもに多く見られる皮膚病です。
始めのうちは1ミリ位の小さな粒ですが、徐々に大きくなって、数ミリから1センチ位までになることもあります。また数も増えて行き、俗に「百いぼ」と言われるほど沢山になることもあります。
見た目には、光沢があって中に水が入っているような透明感がありますが、つぶすと白い塊が出てきます。そのため、掻きむしったり、衣服が擦れたりすると化膿することがあるので、気をつけましょう。
普段から湿疹の出やすい人は、特に水いぼのまわりに湿疹が出ることがあるので、湿疹の予防や治療が必要になることもあります。
この病気は接触によってうつりますから、直接体が触れるプールやお風呂では注意が必要です。ただうつっても、早い人では半年、長い人でも2~3年すれば自然治癒しますので、それほど心配な病気ではありません。しかし社会生活では、他の子どもさんに迷惑をかけることもあるので、保育園や幼稚園、学校、スイミングスクールの方針も確認しましょう。
治療する場合は、ピンセットでつまんで取るのが一般的ですが、出血もしますし、痛みも伴います。取っても自然治癒するまではまた周囲から出てきます。子どもさんの性格や皮膚の状態、周りの生活状況など総合的に考えて、皮膚科の主治医と治療方法についてよく相談して決めてください。
水いぼを取る場合は跡形が残ることもありますから、小さくて数が少ないうちの方がよいでしょう。仮に、取らずに自然に治るまで待つとしても、化膿の予防や湿疹の対策、また他の子どもさんにうつさないための方法なども、専門医のアドバイスを受けられると安心です。
大人の場合で、まれに沢山の水いぼができる時には、糖尿病やがんなど、体の抵抗力を損なう病気が隠れていることもあります。念のために皮膚科を受診して、詳しい検査などを受けるようにしましょう。