2015年6月
【木曜】 時間栄養学を取り入れたダイエット
ダイエットとは、やせることではなく、健康のために食事を管理することです。肥満の人だけでなく、痩せ過ぎの人もダイエットが必要になってきます。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす肥満は、内臓脂肪が原因です。内臓の周りに過剰にたまった体脂肪を取り除くダイエットをしましょう。炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素に加え、ビタミンやミネラル、食物繊維を3回の食事でバランスよく摂るようにしましょう。
ダイエットの新たな指針として、最近は「時間栄養学」が注目されています。食べる量だけでなく、食べる時間や速度、順番の3つの習慣を見直してみましょう。
第1は食べる時間です。これは朝食が鍵となります。ヒトの体は生体リズムを持っていて、このリズムは1日25時間の周期です。そのため、放っておくとヒトは徐々に夜更かしの体になっていきます。
これを防ぐのが、朝の光を浴びることとバランスのとれた朝食を摂ること、この2つの行動です。
こうして、ヒトの体は朝であることを認識し、リズムのズレを修正します。また、朝食は日中の活動のエネルギー源として使われるため、脂肪としてたまることも少ないことが分かっています。逆に、夜10時以降の深夜には、遺伝子の中のたんぱく質(BMAL1という時計遺伝子を構成する因子)の働きによって、脂肪が内臓にたまって肥満につながるということも分かってきました。そのため、夕食は就寝時間の3時間前までに、腹八分目で食べることが大切です。
第2は食べる速度です。肥満の方の60%が早食いであることが分かっています。食べ始めてから満腹中枢が刺激され、満腹を認識するまでに20分程度かかります。ゆっくり食べることで血糖値の急激な上昇を防ぐことができ、肥満防止につながり、糖尿病などの生活習慣病も防ぐことができます。
第3は食べる順番です。ご飯などの炭水化物を食べる前に野菜の食物繊維を先に摂ります。そうすることで血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの過剰分泌が抑えられ、血糖が体全体にいきわたり、そしてエネルギーとして消費されます。同じ献立やカロリーでも、食べる順番によって血糖値の上昇の度合いが違うことが分かっています。
肥満やメタボの人、痩せ過ぎの人も、食べる時間や速度、順番を考慮した時間栄養学を取り入れて、生活習慣病の予防に役立てましょう。