兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2015年6月

【水曜】 足のしびれ~坐骨神経障害~

 みなさんは、正座の後に足がしびれた経験があると思います。足が思うように動かせず転びそうになり、また、軽く触るだけでもビリビリと痛みを感じます。

 これが、一時的な神経障害を実感できる時です。

 私たちが「触られた」「痛い」と足先で感じるのは、それぞれに対応する神経の細胞があり、そこから触覚や痛覚の刺激を電気信号に変えて、反対側の脳の中にある大脳に伝えられます。正確に言うと大脳皮質というところで、足が地面に触れたとか、靴の中に石があり痛いと感じているのです。

 足のしびれは、その原因となる場所が、手足の末梢神経の先の先から、終着点である大脳までの間の、全身に出る可能性があります。

 足のしびれは、主には次の4つにみられる坐骨神経障害によるものです。

 第1は「腰椎椎間板ヘルニア」です。ひどい腰痛や坐骨神経痛とともに、足の強いしびれを訴えて来院されます。運動麻痺を伴うことがあります。神経の分布により、腰の部分の第4腰椎と呼ばれる部分の障害では、足の親指側にしびれを感じます。第5腰椎では足の甲がしびれ、さらにその下にある第1仙椎では足の小指側にしびれを感じます。

 第2は、中腰の作業をする人やハイヒールを履く女性に多い「モートン病」と呼ばれる病気です。足の裏の中指と薬指にしびれがあります。またその指の付け根の間には、圧痛点という、押さえると痛い部分があります。

 第3は「足根管症候群」と呼ばれるものです。足の裏にしびれを感じ、踵の親指に近いほうに圧痛点があります。

 第4は「総腓骨(そうひこつ)神経麻痺」と呼ばれるものです。足のしびれとともに、運動するための神経に麻痺も伴うことがあります。これは、足先が挙げにくくなるために転倒しやすくなります。膝関節の外側(小指側)での障害が考えられます。

 また、慢性的に神経が障害されると、しびれも長く続きます。「多発性末梢神経障害」と呼ばれるものは、両手両足の、手袋や靴下をつける範囲でしびれを感じます。糖尿病やビタミン欠乏症などの病気が隠れていることがあります。

 このように簡単に診断されるものも、そうでないものもあります。まずはかかりつけ医に、しびれの状態を伝えて、精密検査や薬物療法などを受けてください。

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