2015年8月
【金土日】お薬の剤形について
お薬は内服薬、外用薬、注射薬の3つに大きく分類されます。
まずは内服薬です。これは口から飲んで胃や腸で吸収される薬で、剤形には、錠剤以外にカプセル剤、散剤、液剤、シロップ剤があります。
錠剤とは、粉末や顆粒等を圧縮したものです。錠剤のうち、最近多くなったOD錠、舌下錠、チュアブル錠について説明します。
OD錠は、「口腔内崩壊錠」の英語を略した名称です。口の中に入れるとすぐに唾液で溶けるタイプです。水なしで飲めるので、水分摂取が制限されている方や、嚥下が困難な高齢者にも便利です。
舌下錠は、舌の裏側、または歯茎と頬の間に入れて溶かして使います。口の粘膜から直接吸収されるため即効性があり、狭心症の発作時や、がんの痛み止めに使うもの等があります。
チュアブル錠は、噛みながら唾液で溶かして飲む薬です。薬を直接口に入れて水なしで飲めますから、幼児でも簡単に服用できます。もちろん水で飲んでも構いません。
次は外用薬です。患部に貼る貼り薬、塗るタイプの塗り薬などがあります。
貼り薬には、痛みや炎症を和らげるための湿布や、喘息・心臓の薬・禁煙の薬・婦人科で使う更年期障害改善薬などのテープ剤もあります。
最近では、血圧コントロールや過活動膀胱、パーキンソン、認知症などの薬として、色々な貼り薬が出ています。種類によって貼る場所が異なるので正しく使いましょう。
塗り薬は、皮膚に塗る薬です。軟膏・クリーム・ローション・ゲル・スプレーなどの形があります。症状や薬の成分によって分けられますので、確認して使用しましょう。
また点眼薬・点鼻薬・点耳薬は、目・鼻・耳に使う液タイプの薬です。坐剤は、肛門や膣などに挿入する固形の外用剤です。体温によって溶かしたり、分泌液で徐々に溶かしますので、薬が飲めない時でも使えます。早く効くのが特徴です。
うがい薬や、口の中に塗る軟膏、喉の奥にスプレーするタイプは「口腔用薬」と言います。外用薬なので飲み込んではいけません。
吸入薬は、霧状の薬を口から吸い込み、気管支や肺に作用させる薬です。内服した場合よりも少量で早く効き、副作用が少ないのが特徴です。維持療法の場合と発作時で使い分けます。
最後は注射薬です。皮膚や筋肉あるいは血管内に直接入れる薬です。
みなさんが使用している薬について、なにか困ったことがあれば、剤形を変更することで解消することもあります。いつでも、かかりつけの医師や薬剤師に相談して下さい。