2015年9月
【金土日】最近のニキビの治療
ニキビの原因は、たくさんの要素が織り重なっているため、一つの原因を特定することは困難を極めます。
思春期は、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが悪く、皮膚の脂肪である皮脂が多くなり、毛穴を塞ぐことによってニキビができます。同様のことは、大人になってもストレスや寝不足あるいは不規則な生活などでも起こります。
便秘や胃が悪いための栄養分の吸収障害、あるいは化粧品、特に女性ではファンデーションによって毛穴が塞がれるために、ニキビができやすくなります。
ニキビ対策には洗顔が重要ですが、最近の洗顔料は脂肪を落とす力が強いものが多いために、これらの洗顔料を繰り返し使用すると、パサパサの乾燥肌になっていることがあります。こうなると、皮膚の表面は弾力を失い、毛穴はかえって詰まりやすくなり、ニキビの最初の症状として毛穴が詰まって生じる「コメド」が発生します。ニキビもあるのに、皮膚の一部がかさついている場合は、化粧水などを使って皮膚の保湿を心がけてください。
毛穴が詰まって生じるコメドに細菌が感染して炎症が起こってきます。この炎症を少しでも早く、また軽いうちに治療することが肝心です。
一般的な治療としては、塗り薬、飲み薬、赤外線照射などを組み合わせます。
塗り薬には、ビタミンAから造られた「アダパレン」という化学薬品や、抗生剤の軟膏があります。また2015年の春から新たに、「過酸化ベンゾイル」という物質を含んだ軟膏や、抗生物質を加えた塗り薬も発売されており、膿んでいるニキビに対しても効果があります。
飲み薬は、抗生剤やビタミン剤の他に、漢方薬も有効なことがあります。
赤外線照射は、ニキビやニキビ痕(あと)の予防と改善に効果があります。
保険適応でない治療には、皮膚の一番上にある角質層を剥がす「ケミカルピーリング」や、特殊な機械を用いてビタミンCなどを直接皮膚に入れたり、各種のレーザーを用いたりすることもあります。しかし、乾燥肌の方にはケミカルピーリングは無効ですから、化粧品の選び方に注意が必要です。
いずれにしても、毛穴に皮脂を詰まらせないようにすることが必要で、これは各個人によって原因が違いますので、皮膚科の専門医に相談して最も効果的な治療法を選ぶようにしましょう。