2015年10月
【金土日】脳卒中の予防について
脳卒中を引き起こす主な危険因子には高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙、アルコールの飲み過ぎがあります。
このような危険因子を放置していると、やがて脳の血管の壁が厚くなってきて血液の通り道が狭くなり、最終的には血管が詰まって脳梗塞を引き起こしてきます。また、壁が厚くなると血管の弾力性がなくなってくるために、寒暖の差やストレスで血圧の変動が激しくなって脳内出血を引き起こすことがあります。
高血圧、糖尿病、高コレステロール血症を予防するには、塩分、脂肪分を控えめにした食事を心掛けることが大切です。また、適度な運動を毎日することによって体重の増加を防ぎましょう。毎日体重計にのることは効果的です。1kg以内の体重増加であれば、翌日の食生活や運動を工夫して改善させることが可能です。
高血圧、糖尿病、高コレステロール血症と診断されても「薬は飲みたくない」と思われる方も多いようです。でも、しっかりと薬を飲んでコントロールしているほうが、長生きするというデータがあります。生活習慣を改善させながら、必要があれば主治医の先生に相談されることが重要です。
喫煙は動脈を硬くさせる作用があり、アルコールの飲み過ぎは血圧の変動を激しくさせますので、脳梗塞や脳内出血だけでなく、くも膜下出血の危険因子にもなります。
最近になって判ってきたのが、不整脈による脳梗塞が多くなっていることです。
特に、心房細動という不整脈によって大きな血管を詰まらせて、重篤な麻痺や言語障害を残すことがあります。心房細動は年齢を重ねると知らないうちに発症していることがあります。統計では60歳以上の方の5%に達するとされていますので、「自分には不整脈はない」と思わずに、年一回は健康診断で心電図の検査を受けられることをおすすめします。
何らかの危険因子をお持ちの方や、ご心配なことがあればかかりつけの医師にご相談のうえ、必要であれば専門医を受診してください。