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健康情報テレホンサービス

2015年12月

【木曜】 最近話題の副鼻腔炎

 「副鼻腔炎」というと、細菌に感染して起こる「蓄膿症」がありますが、そうではないタイプが話題になっています。

 従来から、気管支喘息患者の40%から73%の方が慢性副鼻腔炎を合併し、逆に慢性副鼻腔炎患者の約20%が経過中に気管支喘息を発症することが知られています。

 副鼻腔炎の患者さんの中に、「(はな)(たけ)」と言って鼻の(あな)を塞いで呼吸しにくくするキノコのような良性腫瘍を発生し、中の細胞を調べると好酸球(こうさんきゅう)と呼ばれる白血球がたくさん含まれているタイプがあります。そのような方は特に気管支喘息を合併することが多いことで話題になっています。この病気を「好酸球性副鼻腔炎」と言います。

 気管支喘息を合併している慢性副鼻腔炎は、頭のCTを撮影して副鼻腔内の粘膜病変の程度によって重症度を判定します。血液や喀痰の中に好酸球が多い方ほどCT画像での重症度判定も高くなるようです。しかも喀痰の好酸球数が多いほど気管支喘息は重症であり、好酸球性副鼻腔炎で気管支喘息を合併している人は、これらの好酸球検査の数値が高いほど重症であることが分ってきました。

 気管支喘息の治療を飛躍的に進歩させ、緊急入院を大いに減少させた薬として吸入ステロイド薬があります。慢性副鼻腔炎・気管支喘息の両方を合併している人は、鼻水・鼻づまりなどの鼻の症状と、咳やヒュウヒュウという呼吸困難などの気管支の症状の両方に悩まされています。気管支喘息に対する吸入療法として、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬(長期作用性β2刺激薬)を配合した新しい吸入薬が開発されており、これで鼻の症状が軽くなった方もいることが知られています。

 好酸球性副鼻腔炎であれば、ステロイドの飲み薬でなければ確実な効果が得られず、2015年7月から国の難病制度(難病医療費助成)に指定されました。現代医学ではまだ研究中のため、有効な治療方法が限られ、まして手術が必要な場合はとくに慎重な判断が必要になります。

 鼻づまりが辛くて耳鼻咽喉科に受診される時には、気管支喘息の治療中、あるいは過去にその症状を経験された方は、必ず医師に伝えていただき、症状をより軽くする方法を相談してください。

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