兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2016年5月

【木曜】 尿失禁の治療

 突然、尿が漏れそうになり必死で我慢してトイレに駆け込むような経験をなさったことはありませんか? 

 これは通常の尿意と異なり、急に起こる、抑えきれない強い尿意のことで「尿意切迫感」と呼ばれている症状です。実際に尿を漏らしてしまう場合は「切迫性尿失禁」と呼んで、日常生活を送る上で非常に困ります。

 まず、尿意切迫感についてお話します

 これは、男性に多く、40歳を過ぎる頃から増え始め、40歳以上の日本人の約810万人が、1週間のうちで1回以上感じていると言われています。

 最近は、このような尿意切迫感を感じる状態を「過活動膀胱」と呼ばれて注目されています。その原因は、脳や脊髄といった神経が原因の場合と、神経以外の原因の場合があります。また過活動膀胱ではなくても、お腹に力が入ると漏らしてしまう場合を「腹圧性尿失禁」と呼び、尿道や膀胱を支えているところが弱くなると起こります。治療は薬や体操などが中心です。

 なお、膀胱や子宮や前立腺などに異常がある場合や、自分では排尿を終えたつもりでも膀胱に尿がたくさん残っていて尿を漏らす場合などもあり、正確な診断が求められます。

 次に、切迫性尿失禁についてお話します。

 この病気は、女性の方に多くみられます。対策としては、水分やカフェインの摂り過ぎに注意したり、早めにトイレに行くなどの工夫、排尿を我慢する訓練、肛門を引き締める訓練、さらに1日の排尿のリズムに合わせてトイレに誘導することも役立ちます。しかし治療の中心はやはり薬です。

 治療に用いられている薬には、膀胱の筋肉をリラックスさせるような効果があるものが多く、様々な種類の薬があります。従来のものは、喉が渇きやすく、便秘を起こしやすいなどの副作用がありました。最近はその点が改善された新しい飲み薬が出てきています。また、副作用が気になればすぐに剥がせる貼り薬もあります。

 これらの治療以外にも、電気や磁気で刺激する特殊な治療法もありますが、一部の医療機関でしか行っていません。

 いずれにしても、強い尿意や尿漏れなどの症状が気になる方は、恥ずかしがらずにぜひともかかりつけの先生や泌尿器科専門医に相談されることをおすすめします。

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