兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2016年6月

【水曜】 老人の水分補給

 水もしたたる美男子とか、水蜜桃のような赤ちゃんと言われますが、若い人の体の成分の6割が水分で、残りの4割が、骨や内臓、筋肉などです。

 年をとると、体の水分が年々少なくなって5割ぐらいになりますので、若いときはふっくらしていた皮膚も水分が少なくなって、体重も身長も小さくなってきます。

 体の水分は、人体そのものが生きていくための色々な働きをしているのです。ただじっとして生活をしていても皮膚からや呼吸により蒸発して出るし、新陳代謝により尿や便から排泄されます。その量は、1日約2リットルになります。この排泄される水分は、年齢には関係ありません。

 暑いときに、体を動かしたり、病気で熱が出たりすると水分の排泄がますます多くなります。年をとると食欲も少なく水分の取り方が少ない上、脳の働きが少し落ちてきて喉の渇きがわからなくなってきます。

 また、腎臓の機能が落ちているため、尿から水分が余計に出たりしますので、排泄量が多くなります。その上、もともと若い人に比べて体の水分が5割ぐらいに減っていますので、予備として蓄えられている水分量が少なくなっているため脱水症を起こしやすいのです。

 風邪や感染症で熱が出たり、また、下痢や嘔吐で水分がたくさん外へ出てしまったりしたときは、できるだけ早く水分補給をしなければいけません。

 唇が乾いたり、皮膚がなんだかカサカサしているとき、汗をよくかくとき、血圧が上がったり、脈が速くなったりするようなときは、一度医師に見てもらってその原因を調べてもらいましょう。

 年をとって脳の働きが少し落ちてくると、水が欲しいとか、尿や便を出しっぱなしにしても何も感じないときもあります。このような人には、とくに介護している人が注意して水分補給するとか、ときには病院で点滴をしてもらう必要があります。

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