2016年7月
【木曜】 くり返す子どもの中耳炎
中耳炎をくり返すのは、ほとんどがお子さんです。中耳炎は、鼓膜の内側の「中耳」という部分の粘膜に細菌が感染して炎症が起こる病気です。子どもの場合は突然耳の痛みや発熱が起こることが多く、夜中に泣き出したり、むずがる場合は中耳炎を起こしている可能性を考えなくてはならないでしょう。
子どもに中耳炎が多い理由は、中耳から鼻の奥にとおっている管が大人より太く角度もゆるやかなため、鼻やノドの奥にいる細菌やウイルスがこの管から中耳に入りやすいためです。冬にかぜが流行するため、中耳炎は夏より冬に多く起こります。
このほかに、中耳炎をくり返す原因としては、アデノイドといって鼻の奥にある扁桃腺の一種が大きかったり、ノドの症状があったり、アレルギー性鼻炎やちくのう症など鼻の病気があったりする場合があります。このような場合は、原因になっている病気を治さない限り、中耳炎をくり返すことになります。
なお、中耳炎をくり返すことで、耳のきこえが悪くなるのではないかと心配する方がおられますが、子どもの中耳炎の場合にはまず心配ありません。ただし、鼓膜の奥に粘液がたまってきこえが悪くなるタイプの中耳炎を引き起こすこともありますので、中耳炎をくり返す場合は耳鼻咽喉科できちんとした検査を受け、治療されることをお勧めします。
治療は、場合によっては鼓膜に孔(あな)をあけるなどし、耳の中の不純物などをきれいに除去した上で、抗炎症剤の投与を行ないます。ただし抗炎症剤で副作用を起こす可能性もありますので、医師の指示に従って正しく使用してください。また中耳炎にかかっているときは、安静を保ち、栄養をとって、全身の抵抗力を高めることも大切です。