2016年8月
【金土日】 脊柱管狭窄症
年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、靭帯が厚くなって神経の通り道である脊柱管が狭くなります。それにより神経が圧迫され、神経に行く血液の流れが悪くなって、脊柱管狭窄症が起こります。この病気では長い距離を続けて歩くことができません。この病気の最も特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行です。背骨を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、前に曲げると広がるために間歇性跛行が起こります。ただし脊柱管狭窄症では、腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり、歩いたりすると、太ももや膝から下に痺れや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、少し前かがみになったり腰かけたりすると、痺れや痛みは軽くなります。もっと脊柱管狭窄症がひどくなると、脚の筋肉のカが落ちたり、肛門の周囲のほてりが起こったり、尿の出が悪くなる、あるいは逆に尿がもれることもあります。
以上のような症状があれば、整形外科などを受診してください。医療搬関では「間歇性跛行があるか」「歩き始めから痛くなるまでの距離と時間」「腰を反らすと症状は悪くなるか」「症状の出方や部位」「筋肉のカが落ちているか」「知覚障害がないか」などの症状を確認します。そのうえで、X・P検査をして腰の骨が安定しているかどうか、あるいは湾曲しているかどうかなどを検討し、最後にMR検査を行つて確定診断をします。
脊柱管狭窄症.の予防としては、日常生活で、姿勢を正しく保つことが必要です。神経の圧迫は腰をまっすぐに伸ばして立つと強くなり、前かがみになると和らぎますので、歩くときに杖をついたり、シルバーカーを押して、腰を少し屈めるようにしましょう。そうすれば楽に歩けます。また自転車こぎも痛みが起こりにくいので、良い運動になります。
治療はリハビリテーション、コルセット、神経ブロックや神経に行く血液の循環を良くする薬などがあります。しかし歩行障害が進み、日常生活に支障が出てくる場合には、手術を行うこともあります。いずれにしても、早い時期で医療機関を受診することをお勧めします。