2016年9月
【金土日】 白髪染めは体に大丈夫か
「いつまでも黒い髪を保ちたい」という思いは、昔からの女性の願いですが、最近では男性にもこの願いは強いようです。
では、白髪染めは体にとって大丈夫なものなのでしょうか。結論から言いますと、白髪染めで問題になるのは、かぶれを起こしたときです。
一般に、白髪染めには、ヘアカラーやヘアダイなどの永久染毛剤、ヘアマニキュアなどの半永久染毛剤、ヘアスプレーなどの一時毛髪着色料の3種類があります。
このうち、かぶれを起こすのは、ほとんどが永久染毛剤です。永久染毛剤の主成分であるパラフェニレンジアミンや、パラトルエンジアミンという化学物質が、かぶれを起こします。
白髪染めのかぶれは、髪の毛のある頭よりも、むしろ顔や項(うなじ)に症状がひどく現れます。特に、まぶたが真っ赤になって腫れ上がり、頭や髪の生え際、あるいは耳たぶや項にもブツブツが現れ、非常に痒くなってきます。
白髪染めによるかぶれは、初めて白髪染めをしてから何回か後に起こってきます。したがって、前回には大丈夫であっても、次に白髪を染めた時にかぶれを起こすことは、よく経験されることです。さらに、白髪染めをくりかえすたびに症状はひどくなり、全身に症状が起こってくることがあります。
また、一度白髪染めでかぶれを起こした人は、ゴム製品や皮製品、あるいはある種の麻酔薬などにアレルギー反応を起こす可能性もあり、注意が必要です。これは、パラフェニレンジアミンなどが、ゴムや麻酔薬の成分にも反応してアレルギー反応を起こすからです。
永久染毛剤でかぶれを起こした人は、パラフェニレンジアミンなどを含まない半永久染毛剤や、一時毛髪着色料を使うことをお勧めします。パラフェニレンジアミンを含まない永久染毛剤も発売されています。但し、パラフェニレンジアミンを含まないものは、特定の色にしか染まりません。
白髪染めのかぶれで、パラフェニレンジアミン以外の成分や、また白髪染め以外の化粧品、シャンプーが原因になっていることがあります。そのため、決して自己判断をせずに、皮膚科専門医の診断を受けてください。