2017年2月
【水曜】 薬の飲み方と副作用
薬の副作用には、胃腸障害、下痢、皮膚に発疹がでる薬疹などが知られていますが、今回は薬の飲み方と副作用についてお話しします。すべての薬は有効性・安全性を調べる試験の後に使用が認可されています。それでも副作用が起こってしまう主な理由は以下のことが考えられます。①薬の成分そのもの、②体質や体調、③薬と食べ物、④薬と薬、⑤飲み方・飲むタイミングです。
①薬の成分そのものは、風邪薬やアレルギーの薬や不安をとる薬には眠気を引き起こすものがあります。②体質や体調としては、アレルギー体質(ペニシリン抗菌薬に対してのアレルギー等)や体調が悪いときに起きます。③薬と食べ物にかんしては、例えば一部の血圧を下げる薬とグレープフルーツジュースの組み合わせで血圧を下げる薬が効きすぎてしまいます。④薬と薬の量では、作用を打ち消したり(カルバペネム系抗菌薬とバルプロ酸でバルプロ酸の濃度が下がり、けいれんが再発)、強めたり(抗真菌薬イトラコナゾールと睡眠薬トリアゾラムでトリアゾラムの濃度が上がる)します。⑤飲み方では、決められた量以上を飲むことで副作用が起こってしまうことがあります。また、飲むタイミングでは、例えば、糖尿病の薬は医師の指示通りに飲まないと、低血糖になることがあるのでご注意ください。
薬の成分そのものが原因の場合は避けることが出来ませんが、その他の理由については避けることが出来ます。それには自分が飲んでいる薬について、名前、作用、飲み方、飲んだときに起る副作用、飲み合わせについて知っておくことが必要です。またアレルギー体質、副作用経験、現在飲んでいる薬について、医師・歯科医師・薬剤師にお知らせください。「お薬手帳」はそんな時に役立ちます。
副作用が出たときはすぐに医師・歯科医師・薬剤師に相談してください。連絡が取れないときはインターネットや電話の薬相談窓口等を利用されるのもいいと思います。薬を副作用なく飲むための情報提供は、医師・歯科医師・薬剤師の仕事です。