2017年3月
【木曜】 食道がん
食道は、のどと胃の間にある、長さ25cm程の筒状の臓器です。食道は食べものを、胃に送り込む働きをしています。
食道の表面をおおっている粘膜に発生する腫瘍が食道がんです。
食道がんの症状は、食べものが胸につっかえるような感じであったり、熱いものを飲んだときに食道にしみるような痛みを感じたりします。その他に体重が減ったり、背中の痛みを感じたりすることもありますが、食道がんで必ず自覚症状が出るわけではありません。自覚症状がなくても、会社の検診や人間ドックなどで早期の食道がんが偶然発見されることもあります。
食道がんによる死亡は、人口10万人あたり約9人です。肺がん、胃がん、大腸がんなどと比べると、比較的頻度の低いがんです。しかし、食道がんになりやすい要因として、アルコール量が多い、タバコを吸う、熱い食べ物をよく食べる、お酒をのむと顔がすぐに赤くなる体質でお酒が弱いのに飲酒する機会が多いなどがありますので、お酒が好きで、タバコをよく吸う人は特に注意する必要があります。
男性は女性に比べ6倍も食道がんが多いことが特徴です。男性の喫煙率、飲酒率が高いのが理由です。
近年では、胃酸が食道に逆流して上がってくるために、胸焼けやげっぷが出る「逆流性食道炎」が増えています。食道は酸に弱いため、胃酸の逆流にさらされ続けると「バレット食道」とよばれる粘膜に変わってきます。この「バレット食道」は食道がんになりやすいと言われています。過去に内視鏡検査を受けて「バレット食道」を指摘されたことがある方は注意が必要です。
食道がんの治療には、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。内視鏡やCTなどで病変の広がりを調べ、治療方針を決めます。
早期の食道がんは、外科的手術を必要とせず、内視鏡で切除できることもあり、早期の病気を見つけることが重要です。
食べもののつっかえ感、食道にしみる痛みなど、体調がおかしいと感じたら、内科や消化器内科の診察を受け相談されることをおすすめします。