2017年4月
【月曜】親と子の性教育
若者をめぐる性の環境は近年著しく変化し、高校3年生の約50%が性交を経験、その多くが複数の相手であると言われています。これに伴い10代の人工妊娠中絶、クラミジアやヘルぺスといった性行為感染症は増加の一途をたどっています。中絶や性病は将来の不妊症の原因となることもあり、深刻な事態といわざるをえません。
これらの若者をみると、性に無知であることに驚かされます。学校で性教育の授業を受けていますが、自分の問題とは思っておらず、家庭での性教育もほとんど行われていないのが現状です。親たちは若者の性の現状に疎く、子どもと性について話をするのは恥ずかしいと思っているようです。それに子どもにどう性教育をすればいいのか分からないというのが本音でしょう。そこでアメリカの性教育で使用されているthreeS(スリーエス)というキーワードをご紹介しましょう。
threeSとは三つのS、つまり①stop sex(ストップセックス)、②steady sex(ステディーセックス)、③safety sex(セーフティーセックス)のことです。
一つめのstop sexとは、性交をしないことです。性交をする前に本当に愛する人とのセックスであるのか、ただ好奇心や成り行きでセックスしようとしているのか考えてください。もし本当に愛する人とのセックスでないのならばはっきりと拒絶する意志の強さを持ってください。
二つめのsteady sexとは、決まった人とだけセックスをしなさいという意味です。セックスパートナーの数は少ないほど色々な感染症にかかる確率も低く、健康に良いわけです。
三つめのsafety sexとは、セックスをする時はいつも妊娠と性行為感染症に気をつけて、コンドームの着用やピルの服用をしなさいということです。
以上三つのSについて、子どもの年齢にあわせて分かりやすく繰り返し話をすることが性教育であり、親でなければできないことです。そして何よりも大切なことは、性の問題について親子で率直に意見を言い合えるコミュニケーションのとれた間柄であることと、親自身が性に対する毅然とした意見をもつことでしょう。