2017年6月
【金土日】パニック障害とは
パニック障害は、以前は「心臓神経症」や「不安神経症」と診断されていました。
パニック障害の症状は、突然の息苦しさや動悸、発汗、胸部圧迫感、手足のしびれ感や冷たい感覚、下痢、腹痛、めまい、ふらつきなどといった症状が突然起こり、約10分で頂点に達し、繰り返し起こるものを言います。発作時には強い不安や恐怖を感じ、現実感がなくなるような奇妙な感覚を合併していることもあります。このような発作性の症状をパニック発作と呼びます。
またこのようなパニック発作が、いつまた起こるかもしれないといった不安や気が狂うことに対する不安、死ぬことに対する恐怖などによって、日常生活に制限が加わります。これらの症状が長引くと、うつ状態またはうつ病に発展することがあります。
ではこれらパニック障害の主な症状を3つに分類し、その治療法を述べます。
1つ目は「急性発作型」で、パニック発作を繰り返したり、不安が長くつづく状況です。治療法として発作をコントロールするため、抗うつ薬、抗不安薬を投与し、初診時に十分カウンセリングを行い、本人には身体疾患として理解してもらい、性格などを考慮した上で職務内容など生活環境を調整してもらいます。
2つ目は「空間恐怖型」で、パニック発作に空間恐怖を伴うものです。うつ病などには至りませんが、外出に支障が出たり、出社困難となります。発作・不安をコントロールするため、抗うつ薬、抗不安薬を投与し、自律訓練法、環境調整、家族への十分な説明を行います。
3つ目は「症候発展型」で、不安症状からさらにうつ症状などに発展するものです。抗うつ薬、抗不安薬を併用し、本人の言動を良しとする支持的精神療法を行います。「がんばりなさい」などの激励などは禁物です。また環境調整、家族への説明はもちろん、本人の休養を基本とし、自殺の危険についても配慮することが大切です。
このように薬物療法だけでなく、行動療法やカウンセリングと並行して治療すると、より効果的です。精神科、神経科、心療内科の専門医に相談されることをお勧めします。