兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2017年8月

【火曜】歯の知覚過敏症

 虫歯が無いのに冷たい水でしみたり、歯ブラシの毛先が当たると、ピリピリと痛むのを知覚過敏症と言い、正式には「象牙質知覚過敏症」と言います。その原因には強く歯みがきをし過ぎて歯の根の表面を削りとったり、象牙質に付着した歯垢による酸化や、夜間の歯ぎしりや食いしばりが原因になることも有ります。

 象牙質知覚過敏症のメカニズムとして、象牙質に歯を磨くなどの機械的な刺激、温度による刺激、化学物質、乾燥など様々な刺激が加えられると、象牙質にある液が細い管を通って、一般に「歯の神経」といわれている歯髄(しずい)に伝わり痛みが生じると言われています。

 予防としては、たくさん付いている歯石を一度に除去しないで、まずあまり力を入れないでしばらく歯磨きをした後に歯石を取るようにします。

 症状が出てしまった時は、フッ化ナトリウムが有効です。また硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの液体の薬を塗って象牙質の表面を覆ってあげます。

 治療としては、知覚過敏になっている場所が明らかな場合は、その象牙質の表面を覆い、外からの刺激を遮断する方法があり、フッ素を出すものや、象牙質への接着力が高い充填材が応用されます。そのほか液体の薬を塗ったり、最近ではレーザー照射を併用することにより、かなり痛みを軽くすることが出来るようになりました。

 もし歯の神経に炎症を起こす歯髄炎()(しずいえん)になっている場合は、神経を除去しないと痛みは収まりません。これに対して知覚過敏症の場合、大半は、口腔内あるいは歯髄からの物質が象牙質を覆って痛みを感じなくなることが多いのです。

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