2017年10月
【木曜】耳鼻科で診るめまい
めまいが突然起こると、だれでも不安になります。原因はさまざまですが、頭痛がしたり、喋りにくくなったり、手足がしびれたりということがあれば、脳の病気によって起こるものがありますから、すぐに救急病院や脳神経科を受診しましょう。
今回は、耳鼻科で診る「めまい」のうち、次の3つについてお話します。良性発作性頭位の眩暈(めまい)、中耳炎、外(がい)リンパ瘻(ろう)の順にお話しします。
第1は、良性発作性頭位によっておこる眩暈です。その症状は、起き上がったり姿勢を替えるなど、頭の動きを伴う動作をきっかけに突然起こる、回転性のめまいです。1分間ほどで治まりますが、グルグル回転する感覚が強く、時には吐き気を伴うことがあるため、恐怖を感じる人も少なくありません。
これは、耳の中の耳石器という部位から剥がれ落ちた石が、平衡感覚に関係する三半規管に入り込んで人が頭を動かしたときに石が動いてリンパ液の流れを乱してめまいが起こることもあると考えられています。治療法は、薬物や特殊な運動療法が有効です。
第2は、「中耳炎」によるものです。中耳炎をしっかり治さないでいると慢性化して、耳の骨が溶けて中耳の炎症が内耳に及ぶため、めまいを起こすようになります。このような場合は、中耳炎を手術で治す必要があります。
第3は、「外リンパ瘻」です。症状はくしゃみ、重い荷物の運搬、強い鼻かみ、飛行中の気圧の変化、潜水、耳かきなどの直接的な力、頭部外傷などの後に突然、感音性難聴やめまい、耳鳴りなどが生じることがあります。原因は、内耳と中耳の間に病的な通り道ができてしまって、リンパ液が流れ出るためです。治療は、耳鼻科の一般的な治療となりますが、悪化する場合は手術でこの通り道を閉じることが必要です。
以上のようなめまいがある場合は、まず耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。