2017年10月
【水曜】むずむず脚症候群
「むずむず脚症候群」は、1997年に「下肢静止不能症候群」として報告されました。自覚症状として、脚の不快感による不眠や、日中の倦怠感が続き、不安な気持ちになったり、落ち込んだり(抑うつ的)してしまう。しばらく座っていると、脚を動かしたくなる。止めると脚に違和感を感じるので止められない。
また、飛行機や電車内、映画館など、長い時間じっとしていなければならないときに脚がむずむずしてきて、脚を動かさずにはいられなくなる。このようにじっとした姿勢や横になったりしていると、主に膝下の部分や腰から背中、また腕や手など全身にまで現れる「むずむずする」「じっとしていられない」「痒い」だけでなく、「ピンでなぞられているような」「針で刺すような」「火照るような」「虫が這っているような」などの異様な感覚と、時には「振動」のような感覚まで感じたりする場合もあり、人によっては「激しい痛み」を感じる症状を訴えることもあります。
患者さんはこれを抑えるために、常に脚を動かしたり身体をさすらなければならない状況に追い立てられ、眠れない障害や熟睡できないとか眠っている途中で起きてしまうなどの睡眠障害を来します。この結果、昼間の疲労感を引き起こします。
正確な原因はまだ解明されていませんが、神経の異常、中枢神経における鉄分の不足による異常、脊髄や末梢神経の異常、遺伝的な異常が考えられています。
治療ですが、貧血があれば、鉄剤を飲む等、これらの病気を改善することは言うまでもありませんが、日常的にはカフェイン・アルコール・過度の喫煙など嗜好品を避ける。また、就寝前に、脚のストレッチやマッサージを行い、筋肉のこわばりを取ると改善されることもあります。また、股関節のストレッチやラジオ体操を行うと改善されることもあります。立っている時、足の小指の先が地面につくように心がけるのもいいです。
この病気の一番の問題点は外から診ても体に異常がなく、検査にも異常が認められず、この病気と診断できないことです。このような症状で悩まれている方はかかりつけ医に相談ください。薬物治療で症状を改善することもあります。