2017年11月
【水曜】ひざの痛み
ひざに関する訴えは様々ですが、なかでも最も一般的で重要なものは痛みです。
診断に際しては、突然痛くなったのか、時間がたって痛みが強くなったのか、痛むのはじっとしている時か、運動を始めた時か、体重がかかった時か、夜間に痛みが起こらないかなど痛みの性質が重要な情報となります。
また細菌の感染による化膿性関節炎などの炎症性関節炎では、押さえると激しい痛みを伴い、ひざが腫れていて熱をもち、赤くなります。また他の関節にも炎症性関節炎がある場合は、関節リウマチや膠原病(こうげんびょう)も考えられます。
これに対して、老化に伴い膝の関節に変形が起こった時は、押さえた時の痛みはあっても、ひざは熱っぽくなりません。高齢者に多い変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)では、長く正座をしたり、長距離を歩いたり、ひんぱんに階段を昇り降りしたりすると膝がはれぼったくなって痛みます。
高齢者以外の方でいえば、成長期の方のひざの痛みは、よくあるものでいわゆる成長痛やまれには骨の腫瘍も含まれます。膝関節の周囲は骨腫瘍の起こりやすい部位でもあるので、レントゲンでのチェックが必要です。
青年期の方には軟骨や膝のクッションの役割をはたす半月板の損傷、靭帯付着部の炎症なども見られます。この年代では、スポーツなどによる使いすぎが原因でひざが痛むことも多いのです。
中高年の方では関節リウマチ、尿酸の結晶が痛みを起こす痛風、半月板に石灰沈着を起こす偽痛風、太った方の軟骨がすり減って起こる「変形性膝関節症」などがよくみられます。
このようにひざの痛みには様々の病気が考えられますので、ひざに痛みを感じたら、整形外科を受診して、必要な検査・治療とともに、日常生活上の指導を受けるようにしてください。