2017年12月
【木曜】スキー・スノーボード外傷
ウインタースポーツの代表的競技にスキーとスノーボードがあげられます。オリンピックでもスキージャンプ、モーグル、スノーボードのハーフパイプなどでの日本人選手の活躍があり、若い人に人気があります。
しかしジャンプ、モーグルなどではスピードが出ているので、失敗すると叩きつけられるような強い外力が加わり、他のスポーツと比べて体に与える損傷がひどくなります。
スキー外傷では、どんなケガが多いのでしょうか?一番多いのは膝(ひざ)関節、ついで足の外傷です。膝と足で7割を超えます。スキーを履いているため、力が足にかかり、膝と足首の間の部分、すなわち下腿にかかる力が大きくなるので、ケガがひどいものになりやすいのです。今のスキーブーツはプラスチックの靴で、足全体をすっぽり包み込むような形になっています。それで、足首の傷害は減りましたが、下腿の骨折や膝関節の捻挫が増えてきています。
スノーボードでのケガは、膝、肩、足の順番になります。スノーボードではスキーよりも腕の外傷が多いのです。ストックをもたない競技の特徴があるようです。また頭の外傷もスノーボードではよく見られます。
新潟県のある病院の報告では、新潟県内で1年に100人を超えるスノーボードによる頭の外傷があり、その半分が急性硬膜下血腫や頭蓋骨骨折、残り半分が脳震盪でした。スキーに比べスノーボードの方が頭の外傷の頻度が高く、物忘れをきたしやすいと言われています。長さの短いスキーボードやスノーボードではジャンプによる受傷が多く、ストックを持たないので、腕や頭の外傷が多く発生します。ジャンプの際にはヘルメットやニット帽の装着で重症の頭の外傷を低減することが報告されています。事故の起こる場所はアイスバーンでの転倒やジャンプによるものが特徴です。
安全にスキー、スノーボードを楽しむためにも、危険性を理解し、頭の保護、基本的マナーなどを守ること。自分の技術を認識してゲレンデを選択することなどに努めてください。