2017年12月
【火曜】インプラント(人工歯根)治療とは
インプラント治療とは、歯が無い部分の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯をつけて自分の歯として使うことができるようになる治療法です。
ブリッジ法では、健康な歯を削り歯を傷めることになりますし、入れ歯では、しっかり噛めなかったり、あるだけで異物感も感じます。また、ブリッジも入れ歯も残っている歯を支えに使いますので、それらの歯に大きな負担がかかります。インプラントは、周りの歯を傷つけず、残っている歯の負担を軽くできます。
ただインプラントは、手術が必要で、費用は全額自己負担です。負担額も各施設で違いますが、歯根部分と差し歯の両方を作ることになるので、どうしても高額となってしまいます。
インプラント治療は、歯周病をまず治してからということも多くあります。これは歯を失なう原因の多くが歯周病ですので、残っている歯にも多かれ少なかれ、細菌による歯周病の影響があるためです。骨の中に埋める人工臓器のインプラントは、このような細菌から守る必要があるので、歯周病の治療を前もって行います。
注意事項としては、可能性は低いのですが、神経のしびれが出たり、止血が困難だったり、安定せず除去に至ることもあります。そうならないように、CTによる精度の高い検査を含め、口の中全体の十分な精密検査を行い、綿密な計画を立てることが重要です。そして長く使っていただくために、定期健診と十分な指導下のメンテナンスが大切です。
インプラントにもトラブルはあるようですが、その多くは歯科医院とコミュニケーションが十分に取れていないことが原因とも思われます。したがって、治療の前には、検査からメンテナンスへの流れがしっかりしているか、起こるかもしれない問題を十分に伝えてくれているか、かかる治療費や期間が明瞭であるか、などを納得されるまで確認していくことが必要です。
本来インプラント治療は、つらいものではありませんし、入れ歯やブリッジとは比べ物にならないぐらい自分の歯に近いものです。顎の骨の状態がよほど悪くなければ、手術後の痛みも腫れもあまりないのが通常です。
是非、生活の質を向上させて、快適な日々を送っていただければ幸いです。